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辺 真一メールマガジン
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2023.06.15 Vol.336
[毎月5,15,25日発行+号外あり]
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史上初の米朝首脳会談が2018年6月12日にシンガポールで実現してから5年が経過した。米朝首脳会談は翌年の2月にベトナムのハノイで再度開かれたが、核問題で合意を見られず、決裂に終わった。トランプ大統領は会談を途中で打ち切り、会談後に予定されていた午餐会もキャンセルし、宿舎に戻ってしまった。
決裂の原因は「ビッグディール」(一括方式による完全なる非核化)を要求した米国と「スモールディール」(段階的、ギブアンドテーク方式)を求めた北朝鮮との溝が埋まらなかったことによる。トランプ大統領は会談後、「北朝鮮は経済制裁の全面解除を望んでいたが、我々が望むのをくれなかった」と決裂の理由を説明していた。
トランプ大統領が求めた「ビッグディール」とは経済制裁解除との引き換えに北朝鮮がすべての核兵器と核物資、及び化学兵器を米国に搬出し、すべての核関連活動を凍結、破棄し、ミサイル施設を解体することだった。換言すれば、北朝鮮が核とミサイルを完全に放棄しない限り、制裁解除に応じないというものであった。
一方、会場に置き去りにされた金正恩(キム・ジョンウン)総書記の外交ブレーンの李容浩(リ・ヨンホ)外相(当時)は「我々が要求したのは全面的な制裁解除ではなく、国連制裁決議の計11件のうち2016年から17年までに採択された5件で、民間経済と人民の生活に支障を与える項目だった」と、即席の記者会見で述べ、また崔善姫(チェ・ソンヒ)第一次官(現外相)も「我々は(見返りとして)寧辺核団地全体、その中にある全てのプルトニウム施設、全てのウラニウム施設を米国の専門家の立会いの下で永久的に廃棄することを提案した。歴史的に
提案したことのない提案を今回、行ったが、米国は受け入れなかった。米国は千載一遇のチャンスを逃した」と発言し、「今後、こうした機会が再び米国に与えられるかはわからない」と米国への不満を露わにしていた。
崔第1次官によると、金正恩総書記は帰国する途中「一体何のためにこんな汽車旅行をしなければならなかったのか』と悔しがり、帰国から約2か月後に開かれた最高人民会議(国会)での演説でハノイ会談について「我々が戦略的決断と英断を下したのが正しかったのかとの強い疑問が湧いた」と自問自答し、「今この場で考えてみると、制裁解除問題に喉が渇き、米国との首脳会談に執着する必要はないと考えている」と、今後米朝首脳会談に固執しない考えを明らかにした。
この年の10月に米朝間では3度目の首脳会談に向けてスウェーデンの首都、ストックホルムで実務協議を開いたが、物別れに終わった。ハノイとは異なり、北朝鮮の方から交渉を打ち切っていた。北朝鮮の交渉人である金明吉(キム・ミョンギル)巡回大使は決裂から10分後には外国記者らを集め、3枚から成る声明文を読み上げ、決裂に至った理由について説明していた。
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