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松尾スズキの【のっぴきならない日常】vol.568(2/2)

松尾スズキの、のっぴきならない日常
_________________________ / 2023年6月16日発行 /Vol.568(2/2) _________________________ 「人生に座右の銘はいらない」 読者からの相談や質問に松尾スズキが独自の視点でお答えします! Q.運命の人に出会うためにはどうすればいいのでしょうか?  かれこれ7年くらい婚活をしていて、1人は同棲もしたのですが、「ほかにまだいるかも」と思ってしまい、結婚を決断できず別れてしまいました。実際、マッチングサイトでプロフィールを物色していると、よさそうな方がたくさんいて余計に悩んだりします……。もう悠長なことも言ってられない年なので、2度の結婚を経験されている大先輩の松尾さんに(お知り合いの話でも)結婚相手の決め手となった要素を教えていただきたいです。(36歳、女性、家事手伝い) A.運命の人、などと大げさに考えなくてもいいんじゃないでしょうか。  出会って、セックスして、ああ、この人、馬が合うな、と思えば、もうそれで。  ただ、どれだけ、この人と死ぬまでと思っても、わずか一年で「あ、違った」ということは、いくらでも起こり得ることを知っている松尾が言いますが、そうならないための地道な努力というものを怠らなければいいのです。  それを、二度の結婚で、わたしは学びましたよ。  わたしの場合、子供は必要ないので、「この人なら自分の著作権をたくせる」というのが決め手でした。最初の結婚のときには、そんなこと考えもしませんでした。「たくせる」ほど、しっかりした相手でもなかったので。  結婚って結局、最小ではあるけど堅牢な組織作りだと思います。  好き嫌いは、もちろん大事ですが、この人なら自分の思う「〇〇家」という小さな組織を作り、最後の時まで続けていられる、というビジョンを持てる、というのが重要なんじゃないかと思います。  なんてこと言わずに、好きな者が自由にくっつけばいいとも思いますが、離婚するときの悲惨さを考えると、やはり「好き以外の条件」を視野に入れなければ。というのが、二度婚男の実感です。  まあ、吉田鋼太郎さんみたいに、結婚することがライフワークみたいになっている人も、いるにはいるんですが。 Q.松尾さんは、いつも美味しそうなものばかり食べていらっしゃいますが、そういえば苦手な食材や料理はあるのでしょうか? そういう食材が出たときは残されますか? 我が家の息子は強烈な偏食で、肉と魚を一切食べません(アレルギーではありません)。お医者様にも相談して、サプリなどで補っているので大丈夫かとは思うのですが、親としては、美味しい食べ物を食べられないのがちょっとかわいそうです。(43歳、女性) A.えーと、おとといは牡蠣を食いましたが、普通なものもいっぱい食べてますよ、笑。美味しいものを食ったときに、ここに載っけるだけで。今朝も納豆と目玉焼きでしたし、昨日も納豆と目玉焼きでした。  苦手なものはない、と思っていたけど、妻に指摘されて結構あることに気づきました。  海老の頭を吸えません。怖くて。  白子もけっこう苦手です。  白あえみたいなものも、あんまり好きじゃないです。  でも、海老の頭以外は、食えるは食えます。というか海老の頭って、そんなにみんな吸うんですか?  ただ、食べ過ぎるとすぐお腹が苦しくなるので、残すときは、ばんばん残します。  もったいないなとも思うのですが、お腹が苦しくなってじっとしている時間って、ほんとに人生を無駄にしているなと思ってしまうのです。  アレルギーは、牡蠣にあたる、ぐらいでしたが10年前ぐらいに克服しました。  偏食といえば、庵野秀明さんが知り合いでダントツです。肉も魚も食わないどころか、香る野菜も苦手で、それでも、あれだけぐんぐん大きくなって精力的に作品を作り続けているんですから、栄養ってなんだろうなと思うわけです。  だから、飲み会とかで、つまんないやつだなとか多少思われるかもしれませんが、逆に、こいつ、なんか持ってるのか? と思われそうだし、うん、大丈夫です。  それでも気になるのなら……専門家に相談してください! Q.先日、クラシックのコンサート(亀井聖矢くんという若手の新星です)に行ってきたのですが、演奏はもちろんのこと、会場の半分以上と思われる50代以上のおばさまファンの熱狂ぶりにも圧倒されました。そのときにふと思ったのですが、おじさまたちが熱狂している対象って、なにかあるのでしょうか? アイドル系のファンは3、40代がメインのようですし、松尾さん世代のおじさまたちが、熱狂しているものってなにかあるのでしょうか?(30代、女性、主婦) A.撮り鉄とかを見ると、熱狂している感が伝わってきますが、あれはおじさまではないのかな?  おじさまは、なにかに熱狂しているヒマがないんじゃないでしょうか。  いや、ヒマがあったとしても、熱狂するエネルギーがないんじゃないでしょうか。  個人的印象ですが、BTSにハマる既婚女性は許されても、乃木坂とかにハマる既婚男性は、なぜか許されてないような気がします。気のせい? 男のほうが恋愛と推し活をわけて考えられないからなのかな? よくわかりません。  でも、劇場に行けば、やはり女性がだんぜん多く、日本の男って疲れてるのかなあと思います。  このところよく芝居を観に行っているのですが、疲れますからねえ。  わたしも熱狂するようななにかが、ほしいです。 Q.コロナの少し前から、映画や舞台などを観るのが好きになりました。ただ、どの作品を観ればいいのか悩んでいるうちに上映が終わったり、配信で作品を選んでいる時間が無駄に長くなったりすることがあります。ネットで調べても、いろんな人がいろんなことを言っていて、決め手に欠いてしまいます。そのため、松尾さんがメルマガで映画や舞台をご紹介してくださると本当に助かりますし、参考にしています。ありがとうございます! ちなみに、そんな松尾さんご自身は、だれそれが勧めていたから観てみるか、となることはありますか?(27歳、女性、会社員)

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  • 有名役者がひしめく「大人計画」を主宰し、芥川賞候補の作家、岸田國士戯曲賞受賞の演出家、現代日本を代表する怪優など、才能が溢れすぎて困っているのに、謙虚な佇まいが魅力的すぎる松尾スズキ。そんな彼のメルマガは、日記、質問&人生相談(もちろん本人が答えます)など読み応えタップリ! これだけのボリュームで月々たったの500円!!
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