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まだマスクか

ドクター畑地の診察室
ドクター畑地の診察室196.2023.6.18. 現役呼吸器内科、総合内科専門医 畑地治です。 世の中に「○○飲んだらすべての病気が治った」「○○制限食をとったらすべての人が健康になる」等、出鱈目情報が溢れています。現代医療の特徴は精密医療で万人に効くような治療はありません。治療方法は個人によって全く違います!おそらく日本で一番多くの呼吸器疾患患者(肺癌、喘息、COPD、肺炎など)を診療する専門医が、最先端の精密医療を解説&ネットでは出し辛い医療や治療の裏側も配信! https://zipangu-management.co.jp/culture_000/hataji/ 三重県出身 自治医科大学卒業後、僻地診療、三重大学勤務を経て、呼吸器内科医師となる 松阪市民病院院長 診療の傍らFM三重で「肺、おさむに聴け!radioを聴いてらんらんらん(lung lung lung)」という毎週月曜日放送の番組を担当 https://fmmie.jp/program/getsumoku/hiosamu.php ***************************** まだマスクか  足元ではCOVID19患者増加が言われ、病院や老人ホームなどでは以前どうりの面会制限をしているところが多い様な気がします。いつまでするつもりなのでしょうか?  COVID19の方針を決めるにあたっては、相反する2つの考え方がある様な気がします。一つは感染制御の専門家の考え方、もう一つは公衆衛生衛生の専門家の考え方です。  感染制御専門家の考え方はシンプルです。まず、COVID19の怖さを話し、まだまだ注意が必要なこと、マスクしないなんてもってのほか、しっかり対策はしましょうと話します。    公衆衛生の専門家の考え方はより現実的です。正直言って、これだけ蔓延してい以上、COVID19はなくなる可能性は極めて低いでしょう。最初パンデミックをきたした頃の状況と比べると、(特にデルタ株が広がった時と比べると)有効な薬剤が出現したことと同時に、感染症そのもの自体も随分と穏やかになり(ワクチンの効果かもしれません。未だに肺炎になる方はほとんどワクチン未接種者です)季節性インフルエンザよりかえって重症者は少ないかもしれません。  今後、ウイルスはどの様に変異するか予想はできませんが、一般的にウイルスは、弱毒になるよう(強毒になって宿主を殺してしまえば、自分達も困ります)、そしてより伝染しやすいように進化するのが世の常です。そう考えると、病原性自体は、それほど心配することがないように進化しますし、蔓延状況は、風邪や季節性インフルエンザと同様、この世からなくなることはないでしょう。  そんなことを考えると、今、この時期にマスクを外すことができなかったら、一体いつ外すことができるのかと考えるわけです。現実を直視して、いつまでも過剰な対策をとることはやめようと言うスタンスが公衆衛生の専門家の考え方です。  マスクをして、まだCOVID19の対策をしている国は、おそらく日本くらいでしょう。本来なら、もっと早く5類にして、もっと早く普通の日常を送れば良かったのに、感染制御と公衆衛生の狭間の中で、対応が遅れてしまった感は否めません。一部の老人施設では、クラスター(こんなこと言うのも日本だけ)が発生した時も通常通りの対応で、隔離することなく、感染者をリハビリなどで動かすようにしたら、かえって隔離するよりもCOVID19による死亡者が少なくなったような事例も出てきています。過度な制限、隔離は有害無益だと思うわけです。  ずいぶん少なくなってきたとはいえ、街を歩けばマスクをつけた方の方が多いと思います。皆さん、いつまでするつもりなのでしょうか。外国の教科書には、「マスクは日本の伝統衣装」などと記載される日も近いのではないかと思う今日この頃です。  さて、話は全く変わりますが、今週印象に残った出来事は「トランプ元大統領の起訴」と「ベルルスコーニ元イタリア大統領の死去」です。皆さん、あまり興味はないかもしれませんが、ベルルスコーニ元イタリア大統領は日本で開かれた洞爺湖サミットの際、階段の上にいた若い日本人女性にウインクしてみたり、女性が幸せになるにはとインタビューされて「金持ちの男性と結婚することだよ」と答えて総スカン食らったり、選挙の自分の演説の時、視聴率を上げるため、隣の美女がベルルスコーニ演説中にだんだん水着になっていくテレビを放映したり、何をやってくれるんだろうと興味深々で若い頃の自分は注目していました。    ポピュリストの時代がこの2つをきっかけに終焉を迎えるのか、また新たな大物が出現するのかわかりませんが、おそらく人類の歴史は繰り返し、新たなポピュリストが誕生するのでしょう。 ***************************** ドクター畑地の診察室196.2023.6.18号 毎週日曜日お昼に配信予定です。 次号は2023.6.25.です。 お問合せ、感想などはコチラまで zm.magumagu@gmail.com 畑地 治 https://zipangu-management.co.jp/culture_000/hataji/ 三重県出身 自治医科大学卒業後、僻地診療、三重大学勤務を経て、呼吸器内科医師となる 松阪市民病院院長 https ://mie-matsu-kokyuki.mars.bindcloud.jp/ https://www.facebook.com/mch.respiratory.center/ 診療の傍らFM三重で「肺、おさむに聴け!radioを聴いてらんらんらん(lung lung lung)」という毎週月曜日放送の番組を担当 https://fmmie.jp/program/getsumoku/hiosamu.php ***************************** ★お知らせ★

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