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馬渕治好の週刊「世界経済・市場花だより」
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第625号(2023/6/18) 不安定ながらも株価上昇が続いた/不安定な市況が続くか
この週刊「世界経済・市場花だより」は、めまぐるしく変化する世界の経済や市場の動きなどについて、ブーケ・ド・フルーレット馬渕治好が、わかりやすく解説します。
※ 自主開催セミナーの予定です(カッコ内は、現時点でのお申し込み数/定員、です)。残席は、10を下回った場合に表記します。
6/24(土)札幌(8/25)
7/1(土)浜松町(4/20)
7/8(土)高岡(3/25)
7/15(土)名古屋(4/20)
7/22(土)大阪(5/15)
7/29(土)横浜(6/20)
セミナーのスケジュールは、
http://bd-fleurettes.eco.coocan.jp/sub3.html
のページの下の方にあります。詳細やお申し込みは、それぞれのリンク先をご覧ください。
上記のリンク先には、自主開催以外のセミナーの予定も、決まったものがあれば掲載します。現時点で、開催が決定しているものの、主催者が受付を始めていないため載せていないセミナーが、複数あります。受付が開始され次第、順次掲載していきますので、お手数ですが、上記ページをこまめにチェックしていただけるとありがたいです。
☆過ぎし花~先週(6/12~6/16)の世界経済・市場を振り返って
<日本株は不安定な動きで脆弱性を示したが、依然として上値更新が続いた>
(まとめ)
先週の日経平均は、一時は解散総選挙の可能性が低下したとして、下振れする局面がありました。この反応自体は明らかに騒ぎ過ぎですが、足元の株価上昇が、確固たるものではない、という「事実」を突き付けたと解釈します。それでも、週末にかけては、日銀が金融緩和を維持したことを受けて、日本株高と円安が進みました(こちらも、逆方向で騒ぎ過ぎだと考えます)。
先週の欧米の金融政策については、連銀は今回金利を据え置いたものの、年末の金利見通しを予想より大幅な0.5%引き上げました。またECB(欧州中央銀行)も、利上げを行ないました。こうした動きは、インフレを抑制するため、景気を一段と犠牲にしよう、という政策であり、いずれ(景気悪化による)欧米の株安・欧米通貨安につながると見込みます。ただ、先週は、株式市場・外貨市場は、そうした見解を全く無視し、株高・外貨高(円安)に進みました。
(詳細)
まず日本から見ていくと、先週は日経平均の不安定さが目立ちました。
下方向の動きとしては、6/15(木)の引け後に、岸田首相が、立憲民主党が内閣不信任案を提出しても、与党に否決するよう呼びかける(それによって不信任案を否決し、解散しない)と語り、そのため日経平均先物が大きく下振れしました。そうした地合いは翌6/16(金)の前場まで持続し、その前日の米国株価の上昇にもかかわらず、一時はザラ場安値で33186.93円(前日終値比298.56年安)まで下押ししました。
「解散総選挙があるから、株価は上がる」という目論見に賭けていた投資家が多かったため、それが裏切られての株価下振れだ、という解説が多いですが、「選挙で株高」というのは、投資家が集まる飲み会での話題の一つ程度に過ぎない、と筆者が思っていたのは、認識不足だったのでしょうか。これほど選挙期待で買い上げていた投資家が多かった、というのは、驚きました。それにしても、この株価下振れは、騒ぎ過ぎだと感じられます。
その後は、同日6/16(金)までの日銀金融政策決定会合で、これまでの緩和政策にいささかも変化がない、という決定を受けて、逆に一気に株高と円安が進み、日経平均は33706.08円(前日比220.59円高)に跳ね上がりました。米ドル円相場も、1ドル141.85円まで振れて引けました。
この動きも、事前には、今回の会合では日銀は何らの政策変更も行なわない、と考えている人がほとんどだったでしょうから、騒ぎ過ぎだと判断します。
こうした市況(特に日経平均)の上下動のドタバタからは、やはり足元の相場が確固たる実物経済などの裏付けではなく、投機的な売買や思惑、過度の楽観などに支配されていることがうかがえます。
欧米では、金融政策を決定する会合が開催されました。
米国では、FOMC(連邦公開市場委員会)が6/13(火)~6/14(水)に開催されました。多数が見込んでいた通り、今回の会合では利上げは行なわれませんでした。
2023年末時点のFOMC参加メンバーによる予想金利水準については、これまでの5.0~5.25%(現在の政策金利と同じ)を、「利上げは先行き打ち止めとは限らない」と示すため、上方修正される、との見解が主流でした。ただ、0.25%幅引き上げるとの予想が多いなか、実際にはそれを上回る0.5%幅(5.5~5.75%)となり、想定以上の金利先高観を打ち出しました。
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