1.はじめに
骨太の方針(正式名称は「経済財政運営と改革の基本方針」と言います)が6月16日に閣議決定されました。すべての閣僚合意によって決定される政府最高レベルの意思決定である閣議決定によるものなので、骨太の方針はいわば、政府が国民に対して行う約束のようなものと考えてもらえればよいでしょう。
各府省は閣議決定の内容に拘束されるので、骨太の方針に記載された政策は、その実行に強いプレッシャーがかかります。書き込まれた内容の実現可能性は限りなく高いともいえるので、骨太の方針が確定する直前まで様々なステークホルダーが骨太の方針に何とか希望する文言を盛り込んでもらおうと、奔走しています。
それほど影響力のある政府方針である骨太の方針の策定プロセスやその記載に影響を与える人々が誰なのかを認識しておくことは、進めたい政策を実現するためにとても重要です。
骨太の方針を理解することは政策実現の基本のキといえます。今回の記事では今回の骨太の方針のサマリーに加えて、決定までのタイムライン、関係者の動きなどを解説します。
政策を変えようといろいろ努力しているけど、結果に結びつかない。もしそんな悩みがあるなら、今回の骨太の方針の記事を読んでみてください。今まで見過ごしていた政策へのアプローチのチャンスを正確に意識することができるはずです。
骨太の方針を理解して、今後1年間の大きな政策の動きを理解するとともに、骨太の方針ができるまでの大きな枠組みを知ってもらい、明日からの社会変革に生かしていただければと思います。
2.骨太の方針とは
骨太の方針とは、経済財政諮問会議での議論をベースに作成される閣議決定文書です。その後の政府の政策の方針や予算配分の方針について記載しているもので、政府の閣議決定モノとしては最も重要なものの一つと言えます。
骨太の方針を議論する経済財政諮問会議は、内閣府に設置され、
-内閣総理大臣の諮問(意見を求めること)に応じ
-経済全般の運営の基本方針、財政運営の基本、予算編成の基本方針その他の経済財政政策に関する重要事項について調査審議し
-内閣総理大臣に意見を述べること
をその職務としています。(内閣府設置法第19条)
ちょっと、難しいかもしれませんが、要は、経済財政諮問会議は、法律上は単に調査し、意見を述べるだけで、政策を決定することはできないこととされています。
しかし、実態上は経済財政諮問会議の議論を踏まえて骨太の方針は作成され、最終的に閣議決定されます。そのため、経済財政諮問会議は、実質的に政策を決定する重要な場になっていると言ってよいと思います。
3.骨太の方針の読み方
骨太の方針の章立てとしては、例年おおむね以下のような形となっています。
■第1章
第2章以降の経済財政政策につながる現状の日本経済・世界経済の分析を行います。
■第2章・第3章
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