第179回 平井和正体験(1973年~)
中学1年生の私を強力に本の世界に引きずり込んだ最初の1冊は「狼の紋章」(平井和正)で、ただただ、衝撃でした。
生頼範義の表紙も強烈でした。
血沸き肉躍る冒険活劇なのに、「悲しみ」「哀しみ」に満ちあふれていました。
すぐに「狼の怨歌」も読み、ハヤカワSF文庫から出ていた平井和正の本は全部読みました。
「もっと読みたい! でも、平井和正はすでに読み尽くしてしまった。」
1973年に創刊されたハヤカワ文庫JAを片っ端から読みました。
当時、私にとってのSF御三家は平井和正、筒井康隆、小松左京でした。
でも、ある時期から大好きな作家たちの本が早川書房から出なくなりました。
自分の小遣いで買うので文庫本しか買えません。
早川書房に手紙を書くとていねいなお返事を下さいました。
結論
「刊行予定はありません。」
心底がっかりしましたが、その後、祥伝社からウルフガイシリーズの続編が出ました。
新書なので文庫より高いのですが、背に腹は代えられません。
全部買って読みました。
角川文庫で出た「幻魔大戦」の途中から作風ががらっと変わり、とても戸惑いました。
活劇がなくなり、話し合い、座談会、講演ばかりになったので、退屈し、離脱してしまいました。
どうやら新興宗教の熱心な信者になったようです。
その後、平井和正とは完全にご縁がなくなりましたが、最近、「平井和正全集 全100巻」の記事を見つけました。
「なんて無茶な企画なんだ! 採算が合うはずがない。リム出版? 聞いたことないなあ。」
図書館で検索すると平井和正全集がありました!
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