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【Vol.350】「エジプト紀行」(3)

NEW YORK 摩天楼便り-マンハッタンの最前線から-by 高橋克明
2023/6/22 Vol.350 「エジプト紀行」(3) そうは言っても、クフ王のピラミッドの麓に立ち、頂上を見上げると、そこはやっぱり迫力を感じます。子供たちと数段、登ってみる。禁止されているのかは知らない。子供たちを置いて、もう数段、そこそこ高い位置まで上がってみる。すると、ひとりのエジプト人が下からなにやら叫んでくる。確かに、危険といえば危険。禁止されていないわけがない。 “Sorry, sorry...” と降りても、まだ何か叫んでる。よくよく聞くと、、「なぁ? ピラミッド、バックに写真撮らないか? 3ダラー!」 ピラミッドはなんやかんや言っても世界遺産。あまりに警備が薄すぎない? 勝手に石を登る僕たちに対しても。そしてその僕たちにまでボッタくろうとする彼らに対しても。 砂漠の中の通行道を挟んで対向線上にカフラー王のピラミッド。その麓では、客引きと揉めた白人男性が怒鳴っている。いざこざが終わって、その白人が怒って、去っていった直後に、さっきまで同じテンションで怒鳴りあっていた客引きが、満面の笑顔で、僕たちに「ラクダ、乗らないか? ワンダラー!」と言ってくる。同じ人間とは思えない変身ぶり。今の喧嘩を(僕たちが)知っていることを(あなたは)知っているよね? ワンダラーといってるが、結局、いくらなの? 家族4人いる。ラクダ2頭でそれぞれピラミッドをバックに写真撮りたい。そう聞くと、オッケー、まず乗れ、と言ってくる。いやいやいやいや、ちがうちがう、まずいくら? まず乗れ、ちゃうわ。いくら、なんだよ。そう聞いても、ダイジョーブ、ダイジョーブ、いいから乗れ、の一点張り。ダメだ、話にならない。乗った後、当然のように100ドルと言われる可能性も多いにある。じゃあ、いらないと、帰ろうとすると、慌てて、30ドルでどうだ? と聞いてくる。最初のワンダラーはどこ行った(笑) ラクダ2頭、それぞれに二人づつ。このあたりを歩いて、ピラミッドバックに写真を撮ってくれて、全部あわせて30ドルだな?(←これを大袈裟でなく7回は確認します) この場合、先払いは意味がない。ラクダに乗るということは、あとから追加料金を言われ、払わないとラクダから降ろしてもらえない可能性もなくはない。

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  • 全米発刊の邦字新聞「WEEKLY Biz」の発行人、高橋克明です。新聞紙面上や、「アメリカ部門」「マスコミ部門」でランキング1位になったブログでは伝えきれないニューヨークの最新事情、ハリウッドスターとのインタビューの裏側など、“ イマ”のアメリカをお伝えします。
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