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ビジ選☆リーダーズ Vol.1003『行動経済学が最強の学問である』(相良 奈美香)

ビジネス選書&サマリーリーダーズ
■行動経済学とは? 行動経済学こそビジネスパーソン必須の教養だ。現に世界の名だた る企業がこぞって行動経済学を取り入れている。多くの企業が「行 動経済学チーム」まで設けはじめているほどだ。 たとえば、アマゾンは商品ページでは「アンカリング効果」という 行動経済学の理論を用いている。そうして消費者の購買意欲を無意 識にそそらせている。 また、ネットフリックスは「デフォルト効果」という理論を駆使し て視聴者が自然と動画を見るように促している。グーグルは確証バ イアスという理論で採用面接をし、人材を見極めている。 ★ 行動経済学が、ビジネスの世界で最強の学問とされているのは、経 済活動が人間の行動の積み重ねだからだ。人間の行動を理解するこ と自体がビジネスのキモになるのだ。 顧客は人間だ。取り巻く上司や同僚、取引先も皆人間だ。経済は、 人間の行動の連続で成り立っているのだ。人間の行動を解明する学 問である行動経済学が支持されるのは当然だ。 行動経済学は「なぜ、人はそう行動するか」を解明する。「ある人 がAをして、Bしなかった」だけでは不十分でも「なぜ、Bをしな いか」がわかれば「どうすればBをしてもらえるか」がわかる。 ビジネスとは、人間の行動を変えることだから、このような「な ぜ」を理解し、フレームワークを駆使すれば、何千万、何億もの 人々を一気に動かすことも不可能ではない。 実際そんな事例は世界中にある。この「圧倒的インパクト」こそ が、行動経済学が最強の学問とされるゆえんだ。このことに気づい ているからこそ世界のエリートはこぞって行動経済学を学ぶのだ。 ★ 「経済学」と「心理学」が融合した学問が行動経済学だ。もとも と行動経済学が誕生する前から、経済学は経済活動における人間の 行動を科学してきた。 それなのに行動経済学が生まれた理由は、伝統的経済学ではすべて の人間の行動の解明に限界があるからだ。伝統的経済学は、人間は 常に合理的に行動するとしている。 そこには「人は非合理な生き物である」という大前提が欠けてしま っている。だが、実際は、人間は頻繁に非合理な行動をする生き物 なのだ。 たとえば、合理的に考えれば、痩せたい人はヘルシーなランチを頼 むべきだ。それなのに、コッテリしたほうを頼んでしまう。お金を 貯めるべき時に、レジ横の商品をついで買いして無駄遣いする。 伝統的経済学は、人間を研究対象としながら、こういった非合理な 人間の心理面を、考慮してこなかった。そこで、経済学に足りない 人間の心理面を加える必要が出てきた。それが心理学だ。 これら2つの学問を融合したことで行動経済学が誕生した。その結 果、経済活動おける「人間の行動」全般を解明することができるよ うになったわけだ。 ★ 行動経済学は、体系化するのが難しい。若い学問だからだ。体系化 される前に、次々と新しい理論が発表されてきた。また全く異なる アプローチをとる学問だから融合させて体系化することが困難だ。 経済学の専門家は、合理的な人間を前提として「人はこう行動する べきだ」という理論を展開する。ところが、心理学の専門家は、 我々人間のありのままの行動を分析しようとする。 これら2つの学問は、水と油のようなものだ。なかなか両者が納得 いく落とし所が見つからない。そのことは、ビジネスにおいては大 きな問題ではない。 ポイントは、人間の非合理な意思決定のメカニズムを解明するとい うことだ。意思決定のメカニズムが理解できれ、人間の行動を変え ることができれば、ビジネスの現場では十分なのだ。

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