メルマガ読むならアプリが便利
アプリで開く

ジャーナリスト伊東 森の新しい社会をデザインするニュースレター(有料版)2023年6月24日(土)号

ジャーナリスト伊東 森の新しい社会をデザインするニュースレター(有料版)
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- はじめに --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------  スイスにあるシンクタンク、世界経済フォーラム(WEF)は21日、世界各国の男女平等の度合いを順位付けした「男女格差(ジェンダーギャップ)報告」を発表、日本は調査対象となった146カ国中125位と、”相変わらずの”低水準に陥る。  2019年12月に公表された121位を下回り、過去最低の順位。G7(先進7カ国)の中でも、79位のイタリアに大きく引き離され、東アジア・太平洋地域でも最下位に位置する。  同報告は、政治、経済、教育、健康の4つの分野について、男女参画の平等達成度を指数化したもの(1)。  日本は政治において最低水準に沈み、経済でも123位と低迷。両者の分野で女性の進出が実現していない深刻な実情が、全体の順位を押し下げる。前回公表された報告では、全体で116位だった。  低迷した要因としては、女性首相が依然として誕生していないこと、議員・閣僚に占める女性の割合の少なさがある。男女間の収入の格差や、女性管理職の少なさも要因となった。  他方、教育、健康の分野では、ほぼ男女の平等が達成されいると評価されているだけに、余計に”恣意的な”日本社会の男女不平等さが浮き彫りとなった。  政治分野で日本よりも下位に位置する国は、8カ国だけ。イランやアフガニスタン、2021年にクーデターが発生し、国軍が実権を握ったミャンマーなどが位置する。経済分野でみも、G20(20カ国・地域)で日本より下位に位置する国は、133位のトルコ、142位のインドなどのみ。  深刻なのは、女性の政治参画だ。日本の政治分野の女性参加が138位で、世界最低水準。国政選挙の女性候補は参院選では徐々に増えてはいるものの、政府目標の「2025年までに35%」には届かない。  とくに自民党の状況は目も当てられない。衆参両院の所属議員382人のうち、女性は45人で12%にとどまる。自民党の場合、現職は男性が大半を占め、新人も”世襲”が多いとう状況であり、女性の”新規参入”が増える状況には程遠い。 (1) ジュネーブ=共同「男女平等度 日本125位」西日本新聞、2023年6月22日付朝刊、1項 -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------  イタリア ベルルスコーニ元首相が死去 ACミランオーナー イタリアのメディア王 数々のスキャンダル 欧州ポピュリズム政治の先駆け ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------  イタリアで戦後最長の9年あまりにわたり首相を務めた、シルビオ・ベルルスコーニ元首相の国葬が14日、生まれ故郷の北部ミラノの大聖堂で行われた。  国葬には、国内外からおよそ2000人が参列し(1)、その死を悼んだ。  ほか、親族、イタリアのメローニ首相やマッタレッラ大統領、ハンガリーのオルバン首相などおよそ2000人が参列したほか、地元の警察によると、大聖堂の周りにはおよそ1万5000人が集まったという。  ベルルスコーニ氏は、ミラノのサン・ラッファエレ病院で死去した。4月に白血病に関係する肺感染症のため、治療を受けていた(2)。86歳。  幾度となくスキャンダルを抱えるも”不死鳥”のようによみがえり、政権を3度握った。  ベルルスコーニ氏を「真の友人」と呼んだロシアのプーチン大統領も、声明で哀悼の意を表明。そしてベルルスコーニ氏の「見識」と「バランスがとれ先見の明のある決断をする能力」に常に敬服してきたとした(3)。  ”良くも悪くも”、戦後のイタリアは、ベルルスコーニ以前と以後とに分かれる。ベルルスコーニ氏は1936年、ミラノに生まれた。掃除機のセールスマンとしてキャリアをスタートし、のちに建設会社を設立。  さらに、テレビ局、出版社、広告代理店などを傘下に収めてビジネス帝国を築き上げ、イタリア屈指の大富豪となる。  1986年にはサッカークラブのACミランのオーナーになり破産の危機から救い国際的な知名度を獲得。1990年代になると政界に進出する。  ベルルスコーニ氏がイタリア政治に与えた影響は計り知れない。その生きざまをみれば、トランプ元米大統領など”お子ちゃま”に見える。 目次 ・ベルルスコーニとは? ・欧州ポピュリズム政治の先駆け ・巨額の遺産のゆくえにも注目

この続きを見るには

この記事は約 NaN 分で読めます( NaN 文字 / 画像 NaN 枚)
これはバックナンバーです
  • シェアする
まぐまぐリーダーアプリ ダウンロードはこちら
  • ジャーナリスト伊東 森の新しい社会をデザインするニュースレター(有料版)
  • 日々流れるニュースを、様々な視点から分かりやすく解説するニュースサイト「ジャーナリスト 伊東 森の新しい社会をデザインする The Middle News Journal」のニュースレター有料版です。 いまだ私たちに伝えられてこないマスコミの情報は、残念ながら存在します。 「そもそも?」「Why?」を大事に、マスコミの情報を再編集し、様々な視点や確度から執筆していきます。 その「水先案内人」として、私の仕事が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
  • 660円 / 月(税込)
  • 毎週 日・土曜日