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馬渕治好の週刊「世界経済・市場花だより」
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第626号(2023/6/25) 円安基調続いたが、週末にかけて世界株価は暗転/材料は少ないが、株価の「正常化」進むか?
この週刊「世界経済・市場花だより」は、めまぐるしく変化する世界の経済や市場の動きなどについて、ブーケ・ド・フルーレット馬渕治好が、わかりやすく解説します。
※ 自主開催セミナーの予定です(カッコ内は、現時点でのお申し込み数/定員、です)。残席は、10を下回った場合に表記します。
7/1(土)浜松町(6/20)
7/8(土)高岡(3/25)
7/15(土)名古屋(4/20)
7/22(土)大阪(5/15)
7/29(土)横浜(7/20)
セミナーのスケジュールは、
http://bd-fleurettes.eco.coocan.jp/sub3.html
のページの下の方にあります。詳細やお申し込みは、それぞれのリンク先をご覧ください。
上記のリンク先には、自主開催以外のセミナーの予定も、決まったものがあれば掲載します。現時点で、開催が決定しているものの、主催者が受付を始めていないため載せていないセミナーが、複数あります。受付が開始され次第、順次掲載していきますので、お手数ですが、上記ページをこまめにチェックしていただけるとありがたいです。
☆過ぎし花~先週(6/19~6/23)の世界経済・市場を振り返って
<為替市場では米ドル高と円安が進行、世界株価は週末にかけて暗転>
(まとめ)
先週市場の注目が集まったのは、やはり主要国の金融政策でした。パウエル連銀議長の議会証言が注視され、英国やスイスなどの利上げが話題になりました。パウエル連銀議長は特に変わったことを言ったわけではありませんでしたが、政策金利の先高基調を軽視していた株式市場は、冷水を浴びせられました。
なお、為替市場では、日本を除く主要国の政策金利上昇を材料視する流れが続き、円安が進みました。日本円以外の通貨相場に関しては、先々週の巻き戻しで、米ドル高・欧州通貨安となりました。この欧州通貨安は、単なる巻き戻しではなく、景気が弱い欧州でインフレ退治のため利上げが継続され、景気が一段と悪化する、との「正しい悲観」によるものかもしれません。
(詳細)
先週の世界市場においては、引き続き主要国の金融政策について、注目が集まりました。
このところ毎号、当メールマガジンでは、主要先進国のこことここで利上げがあった、という事実を挙げ続けていますが、先週も6/22(木)に英国でイングランド銀行(英国の中央銀行)の金融政策委員会が開催され、0.5%幅の利上げが決定されました。これは、市場の事前予想の0.25%の利上げに比べ、大幅なものとなりました。
また同日には、スイスで0.25%幅の、ノルウェーでは0.5%幅の利上げが、それぞれ発表されました。さらにスイス国立銀行は「物価の安定のため、さらに利上げが必要になる可能性は排除できない」、ノルウェー銀行(ノルウェーの中央銀行)も「物価と賃金が急上昇を続け、インフレが定着する懸念がある」と声明で示し、先行き一段の利上げを行なう可能性を示唆しました。
こうして、先々週6/15(木)のECB(欧州中央銀行)の利上げや、同行理事会後のラガルド総裁による7月利上げを強く示唆する発言に続く、欧州主要国の利上げとなったため、「欧州は米国より景気の腰が弱いのに、インフレ退治のため一段と政策金利を上げていくのだから、欧州の経済はさらに悪化する」との欧州景気悲観論が、「正しく」市場に広がったと解釈します。
こうしたなか、米国ではパウエル連銀議長が、6/21(水)に下院で、6/22(木)には上院で、証言を行ないました。特に前週6/14(水)のFOMC(連邦公開市場委員会)後の同議長の記者会見と、発言内容が著しく異なったわけではなく、どちらも年内0.25%幅2回の利上げの可能性を、示唆したものです。
ただ、先々週は「どうせそんなに利上げなんかできるはずがない、一方景気は底固いので、株価は上がる」となめきっていた米株式市場は、先週の議会証言を受けては「いや、それなりに金利は引き上げられるようだ、すると景気は悪くなるので、株価は下がる」と、手のひらを返したようになりました。
なお、外国為替市場においては、こうした欧米主要国などの金利先高観に対し、日銀は動かない、という図式が引き続き下地となり、ほぼ全面的な円安・外貨高となりました。
ただ、日本円以外の通貨では、米ドル高・欧州通貨安が全般に進みました(ただしユーロ圏以外の中東欧通貨は対米ドルで上昇)。この相場付きは、先々週の欧州通貨高・米ドル安の単なる反動かもしれませんし、前述のように「景気が弱いのに利上げを急ぐ欧州」について、欧州経済の先行きに対する正しい警戒感が広がっていることの、表れかもしれません。
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