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2023年6月28日:ブリゴジン事件と先物売買の世界金融
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著者:システムズリサーチ:吉田繁治
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ロシアで、「プリゴジンの反乱」が起こりました。2日で、ベラルーシの大統領の仲介により解決したとされています。
もう1年5か月続いているウクライナ戦争の、転換点になる可能性が高いこの事件については、軍事作戦の常として、3つの見方が対立しています。
今後の世界と地政学的に、日本海を隔ててロシアに接する極東の日本にとって、重大なことです。決着にはたぶんあと4週かかるので、現段階での内容を検討します。
【3つの観測】
(1)ロシアの囮作戦:
プリゴジンの反逆事件は、プーチンと共謀した「囮(おとり)作戦」である。目的は、ロシアが内部崩壊しているように見せかける「遊撃作戦の実行」。ロシア軍が内部分裂で弱体化したと見せれば、ウクライナは、これを機会として最後に残っている予備兵を投入するだろう。これを一網打尽にする。
〔3つの事実〕
・事件の4日前の6月21日に、プリゴジンとプーチンは会談をもっている。
・軍の指令部があるロストフナドヌー(100万人都市:ロシア南部)を、ワグネル軍が50人の兵士で占拠したとされる。
「事前に話し合いをし、正規軍が協力しないかぎり」、たった50人で、大きな戦闘がなく、軍司令本部を占拠できるわけがない。
・ニューヨーク。タイムズとワシントンポストは、4日前にこの作戦を知り報道していた。米政府は、これを無視していたという。
(2)ロシア軍の内部分裂:
プリゴジンがSNSでいったように、激戦だったバフムトの戦いのとき、味方であるはずの正規軍が、前線のワグネル軍(民間軍事会社:兵士2万5000人)に、銃弾と物資を送らなかった。
それどころか国防相セルゲイ・ショイルは、背後からワグネルの攻撃をしかけ、ワグネル軍に死者がでた。
・ブリゴジンは激怒し、ロシア南部の都市、ロストフナドヌーの軍指令部を占拠したあと、モスクワに向かって800km北進し、首都まで200Kmのところでベラルーシの大統領ルカシェンコ仲介で進軍を停止し、退却した。プーチンは、当初、反逆罪をいっていたが、それを取り下げた。
・ロシア軍は内部分裂し、弱体化した。プーチンの地位は危なくなり、ロシアそのものが1991年のソ連崩壊のように分裂に向かう。これは英国と米国の、ウクライナ戦争の目的の達成が近いことを示している。
(3)ワグネル軍のベラルーシへの駐屯:
激戦だったバブムトの戦いに勝利したワグネル軍は、「反乱の囮作戦」で西側をだまし、親プーチンの、ルカシェンコ大統領の協力をえて、ベラルーシ国境に移動し現在は駐屯している。
ワグネル軍は解体されていない。
ウクライナの首都キエフ(キーウ)まで、国境は隔てるが、距離はわずか100メートルしかない。ロシア側で最強のワグネル軍が、ウクライナ首都、キーウを攻撃する準備を完了した。近々、攻撃がある可能性が高い。
(注)これは、英国軍部の衛星画像による警戒情報のリークです。
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(1)の囮作戦説は、プリゴジンがいった「これから情報作戦を行う」ということにも、基づいています。戦争の最中の、情報作戦の意味するものは、遊撃戦、諜報戦でありウソで敵を欺くことです。
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