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知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード
vol. 183
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みなさん、こんにちは!ITジャーナリストの牧野武文です。
今回は、SNS「小紅書」のコンテンツについてご紹介します。
小紅書(シャオホンシュー)は、中国のインスタグラムと呼ばれることが多く、アプリの構造としては確かによく似ています。しかし、独特なのはそのコンテンツです。自分の体験したことをまとめた投稿が多くなっており、個人体験を共有する場になっているのです。
例えば、「うちの猫がくしゃみばかりしている。何かの病気?」とか「お風呂に黒カビ発生。どうやったら完全にきれいになる?」など、身近な質問を検索してみると、なぜか答えてくれているコンテンツが見つかるのです。
ウェブを検索する百度の検索広告の業績が下降をしていますが、その原因のひとつとして小紅書の台頭を挙げる分析もあるほどです。実際、若い世代では、百度検索は仕事ぐらいでしか使わなくなり、多くの人が小紅書を検索するようになっています。
なぜ、小紅書にはこのような役に立つ記事が集まっているのでしょうか。ひとつは小紅書の成り立ちに要因があります。また、小紅書は独特の検索システムを開発し、このような利他=人の役に立つコンテンツが検索上位にくるようにしています。
今回は、このような小紅書のコンテンツの運営についてご紹介し、小紅書で多く読まれているコンテンツの黄金の6つのパターンをご紹介します。他のSNSとは環境が異なるため、そのまま利用することはできないかもしれませんが、コンテンツ制作をするときの参考になるかと思います。
知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード vol. 183
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▼目次▼
なぜ小紅書は特別なSNSであり続けるのか。小紅書で人気のあるノートの6つのパターン
小米物語その102
今週の「中華IT最新事情」
次号以降の予定
Q&Aコーナー
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なぜ小紅書は特別なSNSであり続けるのか
小紅書で人気のあるノートの6つのパターン
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今回は、小紅書のコンテンツについてご紹介します。
このメルマガでも、小紅書(シャオホンシュー、RED)の名前は何度もご紹介しています。そして、次世代ECの鍵となる「種草」(ジョンツァオ)=「コンテンツに商品タグをつけて、ワンタップで購入できる仕組み」を発明したSNSであることもご紹介してきました。
小紅書を紹介する時に、世間では「中国版インスタグラム」という言い方がされますし、私もそのように紹介をすることがあります。見た目がインスタグラムに似ているために、イメージしやすいからです。しかし、コンテンツの内容はかなり違っています。
インスタグラムは正当的なSNSで、個人やKOL(Key Opinion Leader=インフルエンサー)が日常周りのことを投稿します。ツイッターのビジュアル版のような感覚です。しかし、最近では、バズることをねらった投稿やお金に結びつける=収益化をねらった投稿が多くなっているような印象を受けます。そのあたりも含めて、正当的なSNSだと思います。
一方、小紅書のコンテンツはだいぶ毛色が違います。一言で言えば、個人の体験を共有するコンテンツが非常に多いのです。
例えば、「日本旅行攻略」で検索をしてトップに出てきたコンテンツは、「日本から帰ってきたばかり!5ページにわたる血と汗の教訓」というものです。この中にはなるほどと思える記述がたくさんあります。
例えば、
・日本語ができなくてもだいじょうぶ。翻訳アプリはあっても使う機会がない。それよりは英単語を並べて手真似でだいたい通じる。日本の人はとても親切なので、こちらの意図を汲み取ってくれる。
・日本は、バックパッキング旅行には向いていない。ドミトリーやAirbnbの施設はあっても数が少ない。
・それよりは、ある程度のグレードのホテルに泊まった方がいい。美団アプリでは日本のホテルを大幅割引で販売していることが多く、それを利用するとAirbnb並みの料金で、日本の中級から高級のホテルに泊まることができる。
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