ついに市川猿之助さんが逮捕された。
この「心中」は私には不自然な点が多い。
父母は自殺したはずだが、なぜか飲んだはずの薬物が片づけられているが、通常は自殺する場合は、自殺したことを示すためなのか、飲んだ薬剤のシートは放ったらかしにされていることが多い。
父母の遺書も見つかっていないらしいし、その上、ビニール袋までかぶせられている。
それ以上に不自然なのは、母親が先に亡くなり、父親はその後になくなったことだ。
先に母親が薬を飲んだ可能性が高いということだが、だとすると寝たきり状態で、認知症もあったとされる父親が自分の意志で自殺したのかの疑いが残る。
もちろん認知症の程度にもよるだろうが、手がちゃんと動かなかったのなら、猿之助氏が飲ませた可能性も相当あるとしかいいようがない。
これを自殺ほう助で済ませていいのかとつい思ってしまう。
さて、今回、マスコミが疑問視するのは、たかが週刊誌の批判記事くらいで、名門が一家心中までするのかということだ。
これについては、私は、週刊誌の批判記事が動機で心中をしたのでなく、この記事が背中を押したと考えている。
一般的にマスコミの自殺報道がなぜいけないかというと、死にたいと思っている人に、決行のきっかけを与えることだとされている。
うつ病の患者さんの少なくとも数人に一人は死にたいという感覚がある(これを希死念慮という)。一般的にはうつ病患者の10人に一人は自殺行動があり、その10分の1が本当に自殺してしまうという。
うつ病患者は人口の3~5%はいるとされているから、少なくとも人口の1%くらいは現時点で死にたいと思っている。
そういう人に自殺報道は背中を押すから危険と考えられているし、WHOも国連も自殺報道のガイドラインを作っている。
日本では、どうしても自殺報道をしたいので、申し訳のようにいのちの電話などの番号を案内していて誤魔化しているが、本当は有名人の自殺を実名で大々的に取り上げるのも、とくに自殺の方法を教えるのは、明らかなガイドライン違反なのだ。
さて、もとの話に戻るが、さまざまな報道を読む限り、猿之助氏は介護うつになっていた可能性が高い。
そういう状態で、自分のスキャンダルが出たから、このような心中に踏み切ったのだと思えてならない。そして、心中であっても無理に薬を飲ませたのなら殺人である。
ただ、今回のスキャンダルは不倫報道とは違い、ハラスメントの報道だ。
この心中をきっかけにハラスメント報道ができなくなってしまうと、そうでなくてもやり放題なハラスメントがもっとやり放題になってしまう。
やめるのは自殺報道であって、ハラスメント報道でないということはマスコミにわかってほしい。
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