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渡辺勝幸の日本一元気になるメールマガジン
第4672号 令和5年6月30日(金)発行
発行部数 11,451 部
【縁の近いものに手を抜くな】
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【縁の近いものに手を抜くな】
孟子の「已む可からざるに於て」云云、
やめてはならないのにやめるもの、
そのような人間は何をしてもやめてしまいます。
手厚くしなくてはならないのに手を抜くもの、
そのような人間は何をしても手を抜いてしまいます。
といっているのは、
『大学』の、「其の本乱れて」云云、
根本が乱れていて末端が治まるという例はありません。
縁の近いものに手を抜いていて、
縁の遠いものに手厚くするという例は、今まで無かった、
と言っているのと同じ意味であります。
ですから『大学』をもって本章の註解とすべきです。
孟子が「已む可からず」といっているものは、
『大学』にいう「本」であって、修身、身を修めることであり、
「厚くするところ」といっているものは、家のことであります。
それ故に、格物致知、誠意正心の工夫によってわが身を修めるということは、
人たるものの「本」であって、やめるわけにゆかないのです。
家を斉えて、その道を国を治め天下を平らかにする上に推し及ぼすことは、
縁の近い問題を先にし、次第に縁の遠いものに及ぼすことであります。
以上が『大学』全体の主旨であって、その外の聖経・賢伝、
すなわち儒教の諸典籍は、すべてその註釈なのです。
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