粗鋼生産も減産濃厚へ
不可能な大型景気対策
地方財政は瀕死の重傷
「流動性の罠」嵌まる
中国経済は、重大局面に直面している。昨年末のゼロコロナ打ち切り策で、年初からの景気回復で一時は明るかったのも束の間、第2四半期から急減速に見舞われている。失速状態とも呼ぶべき状態だ。
政府の景気対策と言えば6月に、政策金利を「0.1%」引下げ程度でお茶を濁さざるを得ない状況に追込まれた。金利効果は、財政政策と異なって時間的な遅効性が認められている。それ故、一回の金利操作での単位は「0.25%」が暗黙の標準である。米国では、「0.50%」という大幅な引上げを行ったほどだ。これに比べると、中国の「0.1%」引き下げは、単なるゼスチャー程度の意味しかない。なぜ、こういう事態を招いたのか。それは、後で取り上げる。
それでも李首相は、強気を押し通している。「4~6月期は前年比5%成長が可能」と胸を張るのだ。前年同期の景気は、上海市のロックダウンで極端に低迷した。この「ベース効果」が見かけ上は景気を押し上げる。だが、先進国並みに「対前期比」成長率で見れば、3%程度が限度であろう。
粗鋼生産も減産濃厚へ
中国政府は表面を繕っているが、発表されるデータが無残である。6月の製造業PMI(購買担当者景気指数)は、3ヶ月連続で好不況ラインの50を割り込んでいる。不況サインが出ているのだ。経済波及効果が、最も大きい不動産市場低迷で需要不足に陥っている。それが生産を停滞させている。
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