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馬渕治好の週刊「世界経済・市場花だより」
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第628号(2023/7/9) 世界市場は株安優勢の展開と全面的な外貨安・円高/心理に振り回され、後付けの解説がなされそう
この週刊「世界経済・市場花だより」は、めまぐるしく変化する世界の経済や市場の動きなどについて、ブーケ・ド・フルーレット馬渕治好が、わかりやすく解説します。
※ 自主開催セミナーの予定です(カッコ内は、現時点でのお申し込み数/定員、です)。残席は、10を下回った場合に表記します。
7/15(土)名古屋(5/20)
7/22(土)大阪(6/15)(残席:9)
7/29(土)横浜(11/20)(残席:9)
セミナーのスケジュールは、
http://bd-fleurettes.eco.coocan.jp/sub3.html
のページの下の方にあります。詳細やお申し込みは、それぞれのリンク先をご覧ください。
次回の自主開催セミナーは、9~10月を中心に設定します(一部8月あるいは11月もあるかもしれません)。日時を決定するのは、7月後半から8月前半頃になると思います。少しお待ちください。
上記のリンク先には、自主開催以外のセミナーの予定も、決まったものがあれば掲載します。現時点で、開催が決定しているものの、主催者が受付を始めていないため載せていないセミナーが、複数あります。受付が開始され次第、順次掲載していきますので、お手数ですが、上記ページをこまめにチェックしていただけるとありがたいです。
☆過ぎし花~先週(7/3~7/7)の世界経済・市場を振り返って
<週初以降は、世界市場は株安となる国の数が優勢、外貨相場は全面的な円高、その主因は行き過ぎた市場の「自壊」「正常化」で、後付けで様々に矛盾する解説がなされている>
(まとめ)
先週初の日本株などは、先々週末にかけて、米国で経済指標の強さなどを過度に楽観して株価が上振れしたことを受けて、日経平均などが上伸して滑り出しました。
しかしその後は、世界的に株安気味の展開が色濃くなり、外貨市場では全面的な円高が進みました。
その解説として、米国では7/6(木)発表のADP雇用統計などが強く、それが金利上昇懸念を呼んだから、という主張が目に付きます。しかし先々週は「経済指標が強いから株買い」という解説がなされていたわけで、それと全く矛盾します。
真相は、最近まで、過度の楽観により、世界的に株高気味の推移(とりわけ日本株は買われ過ぎの動き)が強まっていました。また内外金利格差拡大を大きく取り上げて、円安方向の流れが強かったです。こうした市場の行き過ぎが、先週途中から「自壊」した(あるいは行き過ぎた市場が「正常化」した)のであって、それに後から経済指標などと結び付けて解説がなされている、ということだと判断します。
(詳細)
先々週は、特に米国の経済指標で強めのものが注目されました(5月の耐久財受注や新築住宅販売、並びに1~3月のGDP統計の上方修正)。それを受けて米国市場では、「景気は想定以上に強い」との見解が広がった一方、「でもどうせ連銀はそれほど金利を上げない」と、なぜか金利面では連銀の引き締め姿勢を軽視した(なめきった)意見が強く、いいところ取りをして、先々週末にかけて米国株価が上振れしました。
そうした米株上昇の余勢を駆って、元々買われ過ぎていた日本株も、先週初(7/3、月)は一段と上振れしました。この日の日経平均株価は、最近のザラ場高値の更新は僅差でなりませんでしたが、終値は33753.33円と、バブル崩壊後の最高値を更新しました。
またこの日は6月調査の日銀短観が公表され、大企業製造業の業況判断DIが上昇したことに加え、今年度の設備投資計画が上方修正されたため、「製造業の景況は良いし、設備投資が増えて関連業種に恩恵が広がる」との「口実」により、ダイキンやIHIなどの機械株の株価が上伸しました。
ところが7/4(火)以降の世界株価は、概ね下落基調が優勢となりました。また外貨市場では、全面的な外貨安・円高となりました。まず、火曜日以降に明確になった世界の相場動向を確認するため、先週の騰落ランキングをみてみましょう。
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