メルマガ読むならアプリが便利
アプリで開く

vol.52「一流に学ぶ、成功のために必要なこととは?~葉加瀬太郎 前編~」

小松成美の伝え方の教科書-ノンフィクション作家に学ぶコミュニケーション術
「小松成美の伝え方の教科書 ノンフィクション作家に学ぶコミュニケーション術」 vol.53「一流に学ぶ、成功のために必要なこととは?~葉加瀬太郎 前編~」 【今週の目次】 ============== 1. 成美のつぶやき └ 会って話す、会って聞くの高揚感 2. 一流に学ぶ、成功のために必要なこととは? └ 生誕50周年の朝に誓ったこと └ヴァイオリンとの思いがけない出会い └レッスン当初は曲を弾くことも許されなかった └ブラームスへの憧憬と音楽に浸った日々 └ニューヨーク行きを断った理由とは? 3. 小松成美の心に残る、あのフレーズ 4. お知らせ ============== 1. 成美のつぶやき 会って話す、会って聞くの高揚感 盛夏を迎え、暑い日が続いています。 7月8日の土曜日、私は京都にいました。夏の京都特有の息が苦しいほどの蒸し暑さの中、歴史ある禅宗のお寺で講演をする機会に恵まれました。 そのお寺とは建仁寺です。ここには、俵屋宗達が描いた風神雷神図屏風がありますので、訪れた方もいるもしれません。 臨済宗建仁寺派の大本山。開山は栄西禅師。開基は源頼家。鎌倉時代の建仁二年(1202年)の開創で、寺名は当時の年号から名づけられています。山号は東山(とうざん)。諸堂は中国の百丈山を模して建立されました。創建当時は天台・密教・禅の三宗兼学でしたが、第十一世蘭渓道隆の時から純粋な臨済禅の道場となりました。八百年の時を経て、今も禅の道場として広く人々の心のよりどころとなっています。建仁寺 The Oldest Zen Temple Kenninjiより引用 この霊験あらたかな地で、暁天講座(夏の早朝法話)に講師として参加させていただきました。各寺で開催される夏の早朝法話は、京都の夏の風物詩となっているのですが、その中でも人気のある建仁寺の講座には、朝7時開催にもかかわらず、およそ120名の方々が集ってくださいました。 講義の前に座禅体験にも参加した私は、仏様が鎮座するその厳かな空気の中で、「プロフェッショナル」について話しました。私が出会ったプロたちのすがたと言葉を伝え、その行動と思考を私なりに分析しお話したのです。 早朝とは思えないほど熱心に聴いてくださる方々の表情を見ながら、MLBの大谷翔平選手、サッカー日本代表の森保一監督、先ごろ引退を表明した卓球の石川佳純さん、私の著作「虹色のチョーク」に描いた日本理化学工業など、プロたちの信念とそれぞれの表現を話していくと、そこには「口伝」の素晴らしさを噛み締める気持ちが沸き起こっていきました。 「口伝」とはつまり、情報伝達方法の一つで、口頭で伝えることです。くちづたえ。また、伝える行為や伝えられる事柄そのものを指しています。口承、伝承などとも言います。 何より、私が感激したのは、会って話す、会って聞く、ということの高揚感です。 コロナ禍ではオンラインが通常になり、その技術の進歩にどれだけ助けられたか分かりません。今も日々、ZoomやGoogle meetsにお世話になっているのも事実なのですが、人が集い、言葉を持って伝えていくと、デジタルでは決して感じられない熱気が生まれていきます。 顔や胸を向き合わせて話をすると、言葉だけでなくそこにあるエネルギーを伝えることができるのです。建仁寺に集って私の講座を聞いてくれた方々は、姿勢を正し、瞳を輝かせ、私が主題にしたプロたちのエピソードに聞き入ってくださいました。すると、講座が終わるや否や、私に駆け寄って口々に「感動しました」「涙が溢れました」「勇気をもらいました」「元気が出ました」と声をかけてくださったのです。 思いはこうして伝播していくのだと、口伝の威力に私自身、圧倒されていました。 考えてみれば、寺院は本来口伝の基地のような場所でした。信仰の教えを、そこにある出来事への理解を、未来への思いを、先人から幾多の話を受け継いでいる僧侶たちから聞くことで知識や見解を得ていったのです。僧侶が唱える経典も、仏様の教えを伝えるための術でした。 会って話す、会って聞く。 この私の仕事でもある行為に愛しさを感じ、その機会を増やしたいと願いました。 現在オンラインで行なっている人成塾も、ライブ開催をする計画を立てていまます。 私に“人に会うこと、集うことの尊さ”を、インパクトを持って思い起こさせてくれた御堂での講演の機会に、今、心から感謝しています。 ぜひ京都を訪れたなら、建仁寺へ足を運んでくださいね。 建仁寺 The Oldest Zen Temple Kenninji

この続きを見るには

この記事は約 NaN 分で読めます( NaN 文字 / 画像 NaN 枚)
これはバックナンバーです
  • シェアする
まぐまぐリーダーアプリ ダウンロードはこちら
  • 小松成美の伝え方の教科書-ノンフィクション作家に学ぶコミュニケーション術
  • これまでノンフィクション作家として、たくさんのトップアスリートやトップ経営者の唯一無二の「人生」を取材してきました。その経験をもとに、書籍だけでは書ききれなかった小松成美流のコミュニケーション方法や独自哲学を伝えていきたいと思います。経営に、スポーツに、文化に。多岐に渡って、学びあるコラムを配信して参ります。誰もが発信者となる時代に、是非ご参加ください。
  • 880円 / 月(税込)
  • 第2、第4火曜日(年末年始・祝祭日除く)