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【アル開発室】「やりたいことを見つけないといけない」風潮を終わらせたいと思っている

「アル開発室」サービスづくりとスタートアップの“今とこれから”をのぞけるメディア
こんにちは! ずっと書く書く詐欺だった「物語思考」ですが、ゲラと呼ばれる、「印刷した状態に近いものに赤入れをして、修正していく」みたいな段階までやってきました。 (ゲラです) こんな感じで、iPadとかで文字を書きながら指摘していく感じです。 自分の原稿を読むのが途中は苦で仕方なかったんですが、改めて全部読んでみて「割とスーと読めるな」という感覚までどうにか仕上がってきました。 というわけで、この本で今回、「こうなるといいな」ということを書きます。 「やりたいことを見つける」からの脱却 それは、この10年くらい根強くあった「やりたいことを見つけるほうがいい」という考え方以外の方法を提示して、やりたいことなんてなくていいじゃん、という空気にすることです。 やりたいことをやったほうが人は幸せである、そういうものを見つけて、それに夢中になりましょう、みたいな言論は、このSNS時代の、一部の層には、人気のある考え方でした。 どういう人達がこれに刺さってたかというと 何ものかになりたい 成功したい 成長していきたい みたいなタイプです。2010年代には「意識高い」と揶揄されることもあったのですが、そこそこの量の人たちがいました。 ゼロ年代とかにはそういう層はまだ少数だったんです。僕が学生の頃は、たしか「意識高い」みたいな表現は使われずに、どちらかというと「学生団体とか学生起業をやっている人たち」みたいな括りでした。学生起業自体も珍しかったかな。 2010年代に、ビジネス書ブーム、NewsPicksなどの「世の中を確変していこう」「何者かになろう」みたいなのがあったんです。 たぶん、過去の「良い大学入って、よい会社はいるのが幸せ」みたいな感覚から、80〜90年代くらいからそれに対する反発がありつつ、バブル崩壊からの平成大不況、就職氷河期、リーマンショックなどいろいろあって、生きるのに必死、みたいな状態があって、そこから2010年代に、次のブームとして「やりたいことをやろう」になった、という印象があります。 何がいけないの? もちろん、「やりたいことをやろう」がダメだとは全く思っていません。僕も賛同はしているんです。 賛同はしているんですが、あまりに多くの人が「自分のやりたいことを見つけようとして迷路にハマってしまう」みたいな状態になっているので、危険な言説かもなあ、と思ってもいるんです。 ちょっと説明が難しいんですが、、やりたいことをやろう、を言っている側の人は「着たい服を着ようよ」みたいなテンションでいってる気がするんですね。しかし、言われる側は「一生、着続ける服を選んでください」といわれているような気持ちになっていたりして、そのギャップがあるんじゃないかなと。 高校とか高専とか大学を卒業して、いざ就職するぞ、というときに「やりたいことが決まっていて、それにあわせて最初の仕事を決めないといけない」みたいな感覚なのかもしれません。 ただ、そんなの見つけるの、めっちゃ大変なんですよ。そもそも「仕事をろくにしていないのに何がやりたいかはわからない」という人がほとんどでしょうし、やってみて楽しくても「これが一生やりたいことなのか?」とかで悩んじゃったりしますし。 10年後、20年後に、今やっている仕事があるかどうかもわからないわけです。 やりたいことが見つかっている人、すでにある人は全然いいと思うんですが、ない人が「やりたいことを探さないと」と思っても、あまりうまくいかない。「将来について悩んでいるんです」みたいな人に対して「やりたいことを見つけて、それに夢中になりなさい」みたいなアドバイスをしても、おそらくほとんどうまく行かないと思うんです。 物語はキャラが動かす なので、今回の本では「やりたいことが見つからない人」というのをターゲットに、やりたいことを見つける、みたいな軸ではない形のものにしました。

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