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週刊金融日記 第582号 大富豪重田一族の子孫繁栄計画と利己的な遺伝子と将来の相続争い

藤沢数希メールマガジン「週刊金融日記」
// 週刊金融日記 // 2023年7月12日 第582号 // 大富豪重田一族の子孫繁栄計画と利己的な遺伝子と将来の相続争い // 米金利見通しが変わり株式市場のラリーは転換点か // やはり香港の高級中華はレベチだった話とCorkageについて // 非モテコミットを探す旅へ // 他  こんにちは。藤沢数希です。  九州旅行からマニラ経由で香港に帰ってきて一週間ほど経ちましたが、日本も飯が美味しいですけど香港も香港で美味しいんだよな、と改めて思う次第です。 ★やっぱり九州とかフィリピンのマニラとかと比べて、当たり前だけど、香港は洗練された都市なんだなぁ、と改めて思いました。最近はシンガポールの家賃と似たようなもんになってきましたが、不動産賃料世界一、二位を争っている都市ですからね。 https://twitter.com/kazu_fujisawa/status/1674780102725603330 ★日本のちゃんとした和食がレベチなように、香港の中華もレベチなんですよね。 https://www.instagram.com/p/CuhJcr7Sc7D/  不動産賃料といえば、東京も香港もオフィスが供給過剰になっているようですね。こうした高層ビルの建設プロジェクトというのは、10年、20年単位です。最近はWFH(Work From Home)が流行っているから、じゃあオフィスビルではなくタワマンにしようとか、そんなことは急にはできないわけですね。  みんなが働きたいようなブランドのある大企業は、軒並みWFHをやめて、社員にオフィスに来い、オフィスに来て朝から晩まで毎日働け、となっています。しかし、3番手、4番手の大企業や中小零細企業やベンチャー企業なんかは、高い賃金を払う代わりにWFHオッケーというのをある種の報酬にして社員をリテイン(retain)しています。こうすると、オフィスの家賃もめちゃくちゃ浮くわけですし。WFHは、コロナ禍での一時的なものではなく、ある程度は恒常化するんじゃないかな、と思います。  一方で、東京の都心や香港でも、居住用の良いアパートメントはまだまだ足りなくて、高いですね。もっとタワマンはじゃんじゃんと建ててほしいものです。  東京のタワマンなんか、こんなに高くなるとは多くの人が思っていませんでした。10年ぐらい前に買っていれば、もう2倍、あるいはそれ以上に値上がりしています。サラリーマンが自宅を買う場合には銀行はいくらでも貸してくれたわけで、サラリーマンがお金持ちになれる大チャンスでした。まだ安い時に持ち家を買えた人は、本当におめでとうございます! レバレッジをかけた投資なので、持ち家を住宅ローンで買った人たちは、立派な小金持ちになりました。 ●REITに「PBR1倍割れ」問題 東京オフィスに迫る人口減 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB069VR0W3A700C2000000/ ★安かった時に持ち家を住宅ローンで買えた人と、ずっと賃貸の人では大きな格差ができました。 https://twitter.com/kazu_fujisawa/status/1678262044037124098  ネットでは、サイゼリヤがパスタなんかにかける粉チーズの無料提供をやめたという話が盛り上がっていました。みんな、サイゼリヤが好きですからね。  粉チーズといえば、僕にとってはタリーズコーヒーの方を思い出します。僕は午前中にタリーズに行って、まずはアイスコーヒー飲みながらMacBookで仕事をして、ランチ時になったら、そこでパスタランチを追加で頼んで、数時間はタリーズに居座るというノマドルーティーンをよくやるのですが、このパスタにこれでもかと粉チーズをぶっかけるのが大好きでした。しかし、ある日から、もう粉チーズが共有ラックのところにはなくなっていて、店員に言って、その店員の目の前で監視されながら粉チーズをかける、という形態になりました。これでは大量に粉チーズをかけることができません。とほほ。  この粉チーズですが、原料はイタリアのパルミジャーノという、僕がとても好きなチーズで、これがかなり高いんですよ。熟成させながら乾燥させて、旨味をギュッと凝縮した硬いチーズなんですが、ワインにとてもよく合います。粉チーズは高いのです。  それにしても、サイゼリヤは手間がかかったり、高い食材の料理を次々と廃止して、小麦粉で作った料理ばかりになってきました。日本のコンビニも、どんどん中身を減らしてステルス値上げとかやってるみたいですしね。あと、おしゃれなランチで値上げしてないレストランも、量がどんどん減らされ、ふつうにランチ2人前食べて腹八分目ぐらいですわ。  もうこういう粉チーズの提供やめるとか、こっそり量減らすとか、そんなステルスでやらずに、ふつうにちゃんと値上げしてもらいたいものですね。 ★サイゼリヤで無料だった粉チーズが有料化されてしまいました。それにしても、サイゼリヤは最後の最後までインフレに抗うようですね。 https://twitter.com/kazu_fujisawa/status/1678375872548700161  今週も読者から興味深い投稿がいくつもあります。見どころは以下のとおりです。 - 光通信創業者の重田氏が自らの遺伝子を拡散しておられました - 恋愛工学のおかげで妻子もできた年商1億円で年収3000万円の経営者ですがどうすればもっと大物になれるのか - 金持ちになるために郊外へ引っ越しを考えていますが子育て環境が心配です - 医師ですが愛人が子供を欲しがっており離婚を考えております - 風俗嬢がどタイプで非モテコミットしました続編  それでは今週もよろしくお願いします。 1.大富豪重田一族の子孫繁栄計画と利己的な遺伝子と将来の相続争い  進化生物学では生物の個体は遺伝子の乗り物であると教えられる。生物は、自らの遺伝子を拡散する効率が高いデザインの方が、進化の過程で生き残ってきたのである。その考えはとてもシンプルであり、実際に、多くの生物の行動やそれを司る本能が、この仮説に非常に整合的だ。しかし、生物の進化は、数百年、数千年、時にそれ以上の時間を経て起こる現象なので、実験して証明することが著しく困難であり、それゆえに現在でも仮説止まりであり、進化生物学やそこから派生する進化心理学などの分野は、ハードサイエンスとしては確立されておらず、また、学問としての地位も高くはない。自然科学というより、社会科学や人文学の方に近い。そして、その点で言うと、すでに、すべての人文学を凌駕するほどの説得力を持った学問領域となっている。  僕はこうした進化生物学というものが一般に知られ始める前から非常に興味を持って勉強していた。そして、こうした進化生物学の知見を人間の恋愛に上手く応用できたからこそ、今日の恋愛工学がここまで成功したのだと思う。こうした進化生物学的な考え方や、恋愛工学の様々なテクノロジーは、いまでは一般人でも当たり前のように語っているが、その多くの知識やコンセプトが、すでに10年ほどの歴史になるこのメルマガが普及させてきたのだ。  一方で、非常に古くて新しい問題として、人間社会の場合、豊かになればなるほど、子供が増えないというパラドックスがある。昆虫でも魚でも家畜でも、外敵を取り除いてやって十分な食料を与えてやれば際限なく個体数が増えていくのに、人間だけは逆に減るのだ。少子化対策や文化的背景などで程度の差はあるものの世界中のほぼすべての国で、豊かになればなるほど少子化が進む。これに対して、さまざまな理屈が捏ねられているが、僕は石器人仮説を支持している。人間の本能が概ねいまのような形にまで進化したのは、長らく続いた旧石器時代であって、現代の環境には適応していない、というものだ。子孫繁栄のために、人間には他の動物とまったく同じように強い性欲などが備わっているが、もっと抽象的な子供が欲しい欲というものは、必ずしも進化圧によって本能に実装されていないわけだ。旧石器時代では、性欲と子孫繁栄は概ね同じ機能であったが、避妊具や中絶手術などの普及で、現代人は子供を産み育てることなく性欲を満たすことが可能になってしまい、こうした新しい環境に人間の本能はまったく追いついていないのだ。  さて、今週は、読者から面白い題材が届いたので、この豊かになればなるほど少子化が進む人間社会のパラドックスについて、さらに議論を深めていきたいと思う。 ============================= - 光通信創業者の重田氏が自らの遺伝子を拡散しておられました 「エリートだけが先祖になれるんだよね」港区女子らに“1億円出産依頼”する総資産3000億円超の「光通信」会長・重田康光氏(58)が持つ“ブッ飛んだ思想”とは《本人に直撃》 https://bunshun.jp/articles/-/63947 上記の件ですが、これこそ藤沢所長が進化生物学でよくおっしゃっていた遺伝子拡散本能ですね。 しかし、重田社長のジュニアがたくさん日本で生まれると思うとどうなんでしょうか。 一代でこれだけの資産を築いたという点で、能力値は高く、日本に起業家が増えるかもしれませんね。 本件について、藤沢所長の解説を聞きたいです。 よろしくお願いします。 =============================  じつは光通信の重田氏に関しては、このメルマガで以前にも取り上げた。しかし、重田氏本人ではなく、その息子のほうである。タイでさまざまな国籍の代理母を使って生まれた9人の乳幼児が保護されるというミステリアスな事件が起きた。人身売買か何かの事件かと注目されたが、それは重田氏の息子の光時氏(当時24歳)が相応の金銭を払い、代理出産で自分の精子を使った子供を産ませたものだと判明する。毎年、10〜15人程度の子供を作っていく計画だったようだ。

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