メルマガ読むならアプリが便利
アプリで開く

ビジ選☆リーダーズ Vol.1006『伝え方』(松永光弘)

ビジネス選書&サマリーリーダーズ
■「伝え方」には原則がある 伝わる文章にならない最大の原因は「伝えるべきこと」をひとこと で言えないことだ。文章を書くからには必ず「伝えるべきこと」が あるはずだ。それを一言でこたえられることが大事だ。 文章では、構成や言葉づかいなどの工夫、すなわち「書き方のうま さ」で伝わるかどうかが決まるかのように思われがちだ。だが、 「うまさ」が最重要な課題ではない。 それよりも大事なことは、書き手が「伝えるべきこと」を明確に意 識できていることだ。それができていれば、なにを書くべきか、ど う書くべきかが判断でき、必要な情報の見きわめるもできる。 少しくらい表現が雑でも、構成が整っていなくても、盛りこむべき 情報が盛りこまれた文章になりやすい。だから、伝わりやすくなる のだ。 書き手が「なんとなく」としかわかっていないことは、いくら言葉 を尽くしても伝わらない。自分がはっきりわかっているから、はっ きり伝えることができるのだ。これが伝え方の基本だ。 ★ コミュニケーションは、必ず何かを媒介する。文字なら、紙やデジ タルデバイス上などに表示された言葉や文章だ。話すなら、声とし て発した言葉や話がその役割を担う。 なにかを伝えるコミュニケーションは、すべて「伝え手」が伝える 事柄をいったん表現し「受け手」がそれを見聞きする、という2段 階のプロセスを経る。 別のいい方をすれば、伝えるコミュニケーションは「表現する」と 「見聞きしてもらう」という2つの行為から成り立つ。コミュニケ ーションの橋はひとつではなく2つあるのだ。 ★ 伝え手としては、伝えるからには受け手との間にコミュニケーショ ンを成り立たせたい。ところが、この「第2の橋」を伝え手自身で 架けることはできない。 伝え手が、考えを自分なりに「表現する」すなわち第1の橋を架け たとする。だが、受け手が聞いてくれるかどうか、すなわち第2の 橋が架かるかどうかは別の話だ。 「話を聞く」という行為は、伝え手が強制することはできない。仮 に強制的に聞かせることができたとしても、真剣に聞くかどうかは 受け手次第。受け手が決めることだ。 ほとんどの伝えるコミュニケーションは、受け手がある程度の時間 や労働力、注意力などを割き、読んだり聞いたりしてくれなければ 「納得」はおろか「理解」してもらうこともできないのだ。 にもかかわらず、伝え手にできることは、表現するところ、すなわ ち第1の橋までだ。受け手の関与、第2の橋を確実なものにするこ とはできないのだ。 つまり、伝えるコミュニケーションの主導権は、伝え手ではなく受 け手にあるのだ。ここに伝えることの難しさ、伝えるコミュニケー ションの構造的な課題があるのだ。 ★ 自分が伝えたいことを伝えてはいけない。受け手が受け入れるの は、伝え手が「伝えたいこと」でなく、自分が「伝えられたいこ と」だ。 そして、当然のことながら、伝え手の「伝えたいこと」と受け手の 「伝えられたいこと」は、必ずしも同じでない。「伝えたいこと」 を伝えても、受け入れられない可能性が高いのだ。 このように、伝えるコミュニケーションを構造から考えれば「伝え たいこと」を伝えても、相手にすんなり伝わらないのは、当然のこ とだということがわかるはずだ。 「伝わる」ようにしたいなら、ひとことで言い現わす時点で、「伝 えたいこと」を、受け手が納得し、あわよくば共感するような「伝 えられたいこと」に変換しておく必要があるのだ。

この続きを見るには

この記事は約 NaN 分で読めます( NaN 文字 / 画像 NaN 枚)
これはバックナンバーです
  • シェアする
まぐまぐリーダーアプリ ダウンロードはこちら
  • ビジネス選書&サマリーリーダーズ
  • 「週に1冊くらいは最新のビジネス書を読みたい。でも多忙で無理」そんなあなたに代わり、経営コンサルタントの私が週に1冊厳選、要約して送ります。あなたは駅のホームや喫茶店、朝礼前に数分目を通すだけ。最新ビジネス書の概要が把握できます。70000名に支持される超人気マガジンの「グレードアップ完全版」です。バックナンバー一覧(https://www.mag2.com/archives/P0000498/ )
  • 550円 / 月(税込)
  • 毎月 第1月曜日・第2月曜日・第3月曜日・第4月曜日(年末年始を除く)