▼第60号
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2023/7/14
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ブラック企業アナリスト 新田 龍のブラック事件簿
Vol.060
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インデックス
【結局、就職氷河期とは何だったのか? その背景と今に続く深い傷跡】
【物議を醸す、相次ぐ消費者庁の杜撰な処分疑惑】
【告知】
【Q&A】
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【結局、就職氷河期とは何だったのか? その背景と今に続く深い傷跡】
本年6月中旬頃、突如ネット上で「就職氷河期世代」が話題となった。
おそらく、政府が同時期に発表した本年度の「骨太の方針」の中で、「退職一時金
課税制度を見直し、労働移動を促す」ことが盛り込まれたことを受けたものと
思われるが、「ロストジェネレーション」とも呼ばれた就職氷河期世代がいかに
時代に翻弄され、人生のあらゆる面で貧乏くじを引かされてきたのかを嘆くコメント
が多く見られた。とくに、実際新卒就活時に氷河期真っ只中であった世代の方々が
「難関大学在籍でも、数百社に応募してようやく中堅規模の会社に内定を得るのが
やっと」「中位未満の大学在籍者に対してはそもそも会社説明会の案内が送付されず、
応募さえできなかった」(当時は学生の元に会社紹介冊子が郵送され、そこに
付いているハガキや応募書類を返送することでようやく会社説明会に参加できる
方式が主流であった)といった苦い体験をシェアされていたのが印象的であった。
「就職氷河期世代」とは、我が国において1990年代初頭以降、バブル経済崩壊の
影響を受けた不景気により、多くの企業が新卒採用を抑制し、大量の新卒者が
就職難に直面した世代を指す。「氷河期」が具体的に何年頃を指すのかについては
諸説あるが、概ね「1995年~2005年頃」に社会に出た世代が当てはまるとされて
いる。なおその後2009年~10年頃にかけても、直前に発生したリーマンショック
の影響で若年失業率が同等程度に高まった時期があり、当該時期も氷河期に含める
との考え方もある。
(参照:内閣府「若者失業率の推移」
https://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h23honpenhtml/html/zuhyo/zu1208.html)
(参照:リクルートワークス研究所「第40回ワークス大卒求人倍率調査(2024年卒)」
https://www.works-i.com/research/works-report/item/230426_kyujin.pdf)
当時の新卒採用ニーズの落ち込みがいかほど劇的な水準であったかは、この「大卒
求人倍率」の推移をみても明らかだ。バブル経済の最終期、1991年には2.86あった
新卒求人倍率は、就職氷河期の底にあたる2000年に0.99まで落ち込んだ。これは、
「就活生100人あたり286件もあった求人が、100人あたり99件しかない状況
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