直木賞候補作品全部読んでみた

ドクター畑地の診察室200.2023.7.16. 現役呼吸器内科、総合内科専門医 畑地治です。 世の中に「○○飲んだらすべての病気が治った」「○○制限食をとったらすべての人が健康になる」等、出鱈目情報が溢れています。現代医療の特徴は精密医療で万人に効くような治療はありません。治療方法は個人によって全く違います！おそらく日本で一番多くの呼吸器疾患患者（肺癌、喘息、COPD、肺炎など）を診療する専門医が、最先端の精密医療を解説＆ネットでは出し辛い医療や治療の裏側も配信！ https://zipangu-management.co.jp/culture_000/hataji/ 三重県出身　自治医科大学卒業後、僻地診療、三重大学勤務を経て、呼吸器内科医師となる 松阪市民病院院長 診療の傍らFM三重で「肺、おさむに聴け！radioを聴いてらんらんらん（lung lung lung）」という毎週月曜日放送の番組を担当 https://fmmie.jp/program/getsumoku/hiosamu.php ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊ 直木賞候補作品全部読んでみた 　一時期に比べると、私の読書熱も少し冷めて来ました。理由は色々ありますが、まずは毎朝の運動です。私の家から勤務地である病院までは車でほぼ40分かかります。8時半に診療が開始されますので、毎朝7時半には家を出ないといけません。最近はほぼ毎日8.5キロメートルを1時間7分ぐらいかけて歩いていますので、準備する時間を考えると、どうしても4時半位に起きないと運動することができないわけです。そのため毎日(飲みに行く時以外)夜10時半には寝るようにしています。帰宅して風呂に入ると、もう遅い時間になってしまうことが多く、満足に読書の時間を取れないというのが現状です。休日は休日で、現地開催での講演会が増えてきましたので、いろんなところ行くことが多く、まとまった読書の時間が取れていません。 　しかしながら、本屋で、今回の直木賞候補作品を見てびっくり、多くは僕がすでに読んでいた小説ではありませんか！ということで、今回は僕なりのレビューをしてみたいと思います。 　まず、冲方丁さんの「骨灰」。この作家は「天地明察」以来大好きな作家の1人です。自分自身、少しホラーが入ったテイストが好きなので、この本も刊行され即購入し、読ませていただきました。うーむ、面白いんだけど、密室系小説があまり好きでない私としては、一押しというわけには行かないかなあという感じでした。 　次に高野和明さんの「踏切の幽霊」。前作「ジェノサイド」があまりにも凄すぎて、少し小粒な感じは否めないけど、5作の中で結局一気読みできたのはこの小説だけです。ホラーが入ったテイストは「骨灰」と同じだけど、僕はこの作品の方が好きかな。 　永井沙耶子さんの「木挽き町の仇討ち」。この作家さんはこの小説まで知らなかった。確か2月の初め頃、東京駅丸の内口の近くにある丸善で平積みされ、すごく宣伝されていたので購入しました。ボリュームはないですが、ちょっと意外な展開に驚いた小説です。読んで損はないけど、直木賞としてはどうかなぁ、って感じ。 　垣根涼介さんの「極楽征夷大将軍」。よく知っているようで知らなかった足利尊氏が描かれており、面白かった。差し詰め日本版の「劉邦」と言ったところですか。この作家の歴史小説はどれも面白く、出だしから途中までは一気に読むんだけど、最後まで到達できずに終わってしまうことが多い気がします。この本は・・・ 　最後に月村了衛さんの「香港警察東京分室」。この作家の小説は今まで一作しか読んだことはありません。その一作が僕の好きな時代小説「十三夜の焔」です。しかし、残念ながら、まだ出だししか読めてません。すいません。しかし、その出だしは面白いんだけど、一気読みとまではいかなかった。 　いずれも実力作家ばかりで面白い小説です。自分自身、なんだかんだで一気読みできたのは「踏切の幽霊」だけですが、多分、「極楽征夷大将軍」が直木賞取るんじゃないかなと予想しております。 ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊ ドクター畑地の診察室200.2023.7.16号 毎週日曜日お昼に配信予定です。 次号は2023.7.23.です。 お問合せ、感想などはコチラまで zm.magumagu@gmail.com 畑地 治 https://zipangu-management.co.jp/culture_000/hataji/ 三重県出身　自治医科大学卒業後、僻地診療、三重大学勤務を経て、呼吸器内科医師となる 松阪市民病院院長 https ://mie-matsu-kokyuki.mars.bindcloud.jp/ https://www.facebook.com/mch.respiratory.center/ 診療の傍らFM三重で「肺、おさむに聴け！radioを聴いてらんらんらん（lung lung lung）」という毎週月曜日放送の番組を担当 https://fmmie.jp/program/getsumoku/hiosamu.php ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊ ★お知らせ★ 好評発売中『ドクター畑地の診察室』バックナンバー 1ヶ月分を220円で購入できます。気になった号がある方はぜひチェックしてみてください！ ◆2023年06月 https://www.mag2.com/archives/0001688238/2023/06 2023/06/25 ジメジメした6月 2023/06/18 まだマスクか 2023/06/11 たかがスニーカー、されどスニーカー 2023/06/04 デパートポイント必勝法？