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第76回 米中関係のわずかな雪解けがささやかれる中で、習近平政権が具体化し始めた有人月探査プロジェクトと地球観測の重要性

富坂聰の「目からうろこの中国解説」
 ジャネット・イエレン米財務長官が訪中を終えて間もなく、今度はジョン・ケリー米大統領特使(気候変動問題担当)が中国訪問の準備をしているとブルームバーグが伝えた。  するとメディアは一斉に「米中間に対話のムード」、「協力再開」と報じ始めた。ケリーの次にはジーナ・レモンド米商務長官の訪中も取り沙汰され、中国商務部は「歓迎」のコメントで応じた。対話増進の流れは確かに米中間に生まれつつあるようだ。  だが米中関係の今後は、本メルマガでもずっと書いてきたように、すんなり「雪解け」へ向かうとは考えにくい。  実際、イエレン訪中後、アメリカ国内ではイエレンに対する批判が噴出。国論が割れている現実を浮かび上がらせた。 そもそも「反中」さえ叫べば手軽で無難に人気を獲得できるのだから、そんな旨味を政治家(これはメディアも専門家も同じ)が簡単に手放すはずはない。  もし彼らの目を覚まそうとすれば「無視できない現実」を見せつけること以外にない。そして中国はいま、話し合いによる進展に期待を寄せるよりも、むしろ対立をもてあそぶデメリットをアメリカ側にイメージさせる戦略へと傾き始めたようだ。

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