コロナ禍の収束とともに、ロシアのウクライナ侵攻があり、足元では 悪いインフレ (コストプッシュ型)でエネルギー価格や食料価格が上がりました。
さらに物流や人手不足の影響からよいインフレ(ディマンド型)も始まっているようですが、日銀の植田新総裁は、まだ安定的な物価上昇率2%には到っていない──というのです。
ゆえに、異次元金融緩和はこのまま継続すると言明しています。もはや局面が大きく変わっている──というのにです。
実際のところは、長期金利コントロール(YCC)だけはやめたくても、 金利急騰が怖くてとても動き出せない ──という状況なのは間違いないところでしょう。
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神樹兵輔の衰退ニッポンの暗黒地図――政治・経済・社会・マネー・投資の闇をえぐる
第55回(2023年7月17日号)
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みなさま、こんにちは!
「衰退ニッポンの暗黒地図」をお届けするマネーアナリストの神樹兵輔(かみき・へいすけ)です。
今回は、「黒田日銀総裁の大規模異次元緩和で日本は泥沼に嵌った! いま現役人生バリバリの30代・40代が30年後に迎える老年の日本社会は地獄!」というテーマで、その問題と個人における対策をえぐっていきます。
「30年後」の未来を思う時、誰もが考えるのが「30年前」の過去の日本社会はどうだったのか――ということでしょう。
皆様ご承知の通り、ざっと振り返って見ても、それは日本国の「衰退の始まり」の姿だったのです。
つまりは「失われた30年」であり、これからの「失われた40年~60年」への幕開けだったのです。
今から30年前といえば、1980年代後半のバブル景気が弾け飛んで、景気低迷の90年代に入り、株価も地価も下がっていくバブル崩壊過程の真っ最中になります。
そして、97年の金融危機を経て、それ以降の長いデフレのトンネルに入っていった時代でした。
これが「失われた30年」でした。
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黒田日銀総裁の大規模異次元緩和で日本は泥沼に嵌った! いま現役バリバリの30代・40代が30年後に迎える老年の日本社会は地獄! 米国ゼロクーポン債で円安地獄対策を!
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現在30代、40代の人は、物心つく頃から、ずっと日本経済の右肩下がりを体験してきた世代に他なりません。
また、現在50代の人であっても、社会人になってからというものは、下り坂の日本経済だけを人生で多く味わってきた世代といってよいでしょう。
つまりは、現在30代の終り頃から50代になり始めた世代は、バブル崩壊後の不況期に社会に出ることを余儀なくされた「就職氷河期世代」に相当する人たち――というわけです。
こうしてみると、かろうじて、現在60代以上の人たちだけが、社会人になってからの浮き沈みはあっても、それなりに日本経済の栄光の時代を、そこそこ体験できた世代といってよいのです。
こういった世代間の経済感覚の格差といったものを俯瞰して見ると、やはり、30年間というのは、それなりに長く、ひと世代が、大きく人生を移り変わらせる過程となっているのです。
30年ひとむかし――なのです。
この30年間、日本はデフレでした。
しかし、デフレといっても極端なデフレスパイラルは起こらず、物価は横ばい、実質賃金もジリジリと下がるだけで、後半になってインバウンドだけが好調といった、ある意味「奇妙な安定」の中にあった、いわば衰退が本格化する前の「踊り場」の状況にあった――と見ることも出来るでしょう。
それが、コロナ禍とその収束によって、ここにきて様相が一気に変わり始めました。
日銀の10年に及ぶ異次元緩和の副作用として、円安がすすんでも輸出は伸びず、エネルギー価格や物価が上昇し、日本国民のフトコロ具合が急速に厳しくなってきているのです。
岸田政権は国民の窮乏も何のそので、隙あらば、増税の道を探る構えでしかありません。
政治献金をくれる大企業優遇の政策を続けるだけの「利権・口利き主体」「米国隷従」「反日・旧統一教会癒着」「世襲議員主導」の腐った自由民主党が与党である限り、日本国民は格差拡大を確実に強化され、国中が貧困層だらけになっていくのは間違いないことでしょう。
日本はここから長期にわたって、ジェットコースターのように急降下していく流れに乗り始めた――といってよいのかもしれません。
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国民目線の政治が行われない国・ニッポン!
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そして、現在、30年以上前から懸念されていた「人口減少」「少子高齢化」といった問題が顕著にスピード感を増して、社会のあちこちに「ひずみ」を生じ始めています。
こうした時代が来ることが30年以上前からわかっていながら、日本の政治は無頓着でした。
自民党政権も「少子化担当相」などという特命大臣を設け、「やってる感」のアリバイづくりのポーズだけはとってきましたが、票に結び付かないので、実際は無策を続けてきたのでした。
アメリカの命令に従って大軍拡に走った岸田首相は、その批判を交わしたい思いなのでしょう。唐突に「異次元の少子化対策」などと持ち出してきています。
しかし、内実は子育て手当などの増額が主軸で、その財源も不明瞭で、「異次元のしょぼさ」と揶揄されるばかりの少子化対策なのです。
今さらもう手遅れなのです。
岸田首相は就任早々、「新しい資本主義」などと意味不明のプロパガンダを唱え、「所得倍増計画(荒唐無稽なので資産・所得倍増計画と言い換えた)」などと大風呂敷を拡げたり、「異次元の少子化対策(これもあとから次元の異なる少子化対策に言い変えた)」とぶち上げたり、知恵も工夫も何のアイデアもないのに、出来っこないことを口先だけで唱えています。
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次回は、 「世界一ベッド数が多い日本の精神病棟で何が起きているのか? 病床スタッフによる患者への暴行・虐待・窃盗・殺人までもがやりたい放題──という人権侵害の深い闇!」 というテーマで精神病院の病棟問題をえぐっていきます。
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