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【Vol.491】冷泉彰彦のプリンストン通信『2024年大統領選、前哨戦は低調』

冷泉彰彦のプリンストン通信
「「人助け」が下手な日本人」  チャリティー機関「チャリティーズ・エイド・ファンデーション(CAF )」は2009年から「この1ヶ月の間に、見知らぬ人を助けたか」、「こ の1ヶ月の間に寄付をしたか」、「この1ヶ月の間にボランティアをした か」という3つの項目について、世界の国々で行われたインタビューをベー スに国の寛容度を採点しているそうです。  その報告書では、2020年、アメリカの市場調査のプロ集団であるギャラ ップ社が、114カ国にわたる12万人以上を対象に電話インタビューを行 って調査したデータをベースにして分析が行われているとされています。  報道によれば、このCAFのレポートでは、日本は大差で最下位だそうで す。まず、総合順位で最下位であるだけでなく、僅差ではなく、大差で最下 位なのだそうです。更に言えば、2018年度に行われた調査のスコアから 大きくポイントを落としているというデータも指摘されています。  これでは、まるで日本がダメな国ということになります。一部には、日本 人は顔見知りには親切だが、見知らぬ人には冷たいというカルチャーがある とか、福祉は国の仕事であって日本人はカネを出さないとかいう「解説」が あります。この点については、私は違うと思います。  では、日本のカルチャーだから仕方ない、これでいいということかという と、それも違うと思います。事態は明らかに悪いのであって、何とかしない といけません。そのためには、原因の核にあるものを確認することが大切で す。  原因は2つあります。  1つは、現在の日本社会では「初対面の人同士がスムーズに意思疎通する ための日本語」が壊れてしまっているという問題があります。そこには日本 語の特質が絡んでいます。  日本語は、関係性の言語であり、ロジックや情報を伝える機能に比べて関 係性を確認する機能が大量に盛り込まれています。例えば、道を歩いていて、 重い荷物を抱えて困っている人がいたとします。初対面だが、困っているの で助けてあげようと考えたとして、一体その人にまず「どんな声掛けをする か」という問題があります。(続く)

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  • アメリカ北東部のプリンストンからの「定点観測」です。テーマは2つ、 「アメリカでの文脈」をお伝えする。 「日本を少し離れて」見つめる。 この2つを内に秘めながら、政治経済からエンタメ、スポーツ、コミュニケーション論まで多角的な情報をお届けします。 定点観測を名乗る以上、できるだけブレのないディスカッションを続けていきたいと考えます。そのためにも、私に質問のある方はメルマガに記載のアドレスにご返信ください。メルマガ内公開でお答えしてゆきます。但し、必ずしも全ての質問に答えられるわけではありませんのでご了承ください。
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