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日本経済凋落の真因を探る(第3回):家電産業で何が起きたか(その2) 辻野晃一郎のアタマの中【Vol.14】

『グーグル日本法人元社長 辻野晃一郎のアタマの中』~時代の本質を知る力を身につけよう~
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 『グーグル日本法人元社長 辻野晃一郎のアタマの中』  ~時代の本質を知る力を身につけよう~【Vol.14】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【今週号の目次】 1. 最近気になったニュースから  ◆ 岸田首相は日本の恥さらし 2. 今週のメインコラム  ◆ 日本経済凋落の真因を探る(第3回):家電産業で何が起きたか(その2) 3. 読者からの質問に辻野晃一郎が答えます! 4. スタッフ“イギー”がつぶやく今週の辻野晃一郎 ──────────────────────── 3.読者からの質問に辻野晃一郎が答えます! ──────────────────────── Q:前回のメインコラムの中で、携帯市場も中国の新興ブランドが台頭しているというお話が出ていましたが、先日グーグルが2023年版「中国グローバルブランド・トップ50」を発表し、1位がネット大手の字節跳動(バイトダンス)、2位がスマートフォン大手の小米集団(シャオミ)、3位がパソコン大手の聯想集団(レノボ・グループ)でした。辻野さんは勢いが止まらないこれらの中国企業にどのような印象をお持ちでしょうか? A:中国には、中国のGAFAともいわれる巨大テック企業のBATH(Baidu、 Alibaba、Tencent、Huawei)の存在がありますね。それに加えて、近年、バイトダンスやシャオミなどが急成長しました。レノボはこれらの中では比較的古い企業ですが、パソコンで急成長しました。 私がソニーにいた頃は、競合相手として中国企業を意識するようなことはまだまったくありませんでした。敢えて言えば、私はVAIOパソコン事業を担当していたことがあるのですが、その頃には、台湾が世界のパソコン製造の拠点になっていて、ASUSという会社と提携していました。そのASUSも、中国本土の蘇州に初めての大工場を建設するところで、ASUSのCEOだったジョニー・シーに、まだ更地だった建設予定地に連れて行ってもらったことがあります。しかし、それから数か月後に再度訪れた時には、主要な建物がほとんど出来上がっていて、そのスピードに驚くと共に、これからは台湾や中国の時代になるな、ということを実感したものです。 その時期に、厦門(アモイ)にあったDELLの工場を見に行ったことがあり、ついでにレノボの工場にも立ち寄ったのを覚えています。両工場とも、build to order(CPU、メモリサイズ、ハードディスク容量などをカスタマーの好みに合わせてカスタマイズ生産すること)のための受注生産ラインや顧客データベースが整備されていて、当時のVAIOの生産ラインに比べて随分進んでいるな、と感じたことを覚えています。 時代は変わりましたが、改革開放政策で、製造業やIT企業含む中国経済は短期間に飛躍的に成長しました。その後の習近平政権の厳しい締め付けや、米国との技術覇権争いで、BATHの存在感が弱まりましたが、――

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