第272号(2023年7月21日号)
『最後の調停官 島田久仁彦の無敵の交渉・コミュニケーション術』
はじめに:
いつもメルマガをお読みいただきありがとうございます。
そして今日はパリ祭(またはフランス革命記念日、フランス建国記念日)ですね。
「それがどうした?」と言われそうですが、フランスとゆかりの深い私にとっては、ちょっと特別な気分です☆
さて、今週号の内容ですが、まず【1】の
『無敵の交渉・コミュニケーション術』のコーナーでは、
今週も先週に引き続き【職場におけるコミュニケーションの重要性】についてお話しします。
先週号では【相手が話さない内容を聞き、本当のメッセージを理解する】ために
【会話・相手の話に集中することの重要性】についてお話しいたしました。
今週号は今シリーズ最終回となりますが、
【Listen more; Speaking Less】と題してお話いたします。
その注目の内容は、本編をお楽しみに♪
次に【2―国際情勢の裏側】ですが、今週もいろいろなことが起きた一週間でした。
一つ目は【荒れ狂うロシア・ウクライナ戦線】です。
18日にロシアが一方的に停止を発表した黒海におけるウクライナ産穀物輸出に関する協定。
国連安保理も、仲介の任を取ったトルコも、そしてもちろんウクライナもその一方的な通告に反発し、非難していますが、
ロシアは欧米がロシアに課す金融制裁の解除を再開の条件として掲げ、真っ向から対立する構図になっています。
これにより、小麦などの穀物の先物市場は荒れており、価格も乱高下を繰り返す始末です。
そしてウクライナによるクリミア大橋攻撃への報復として、ロシアがオデーサ港を精密誘導ミサイルで爆破したことで、
実質的に穀物輸出が出来ない状況になっています。
アフリカや東南アジア諸国を交えた混乱がさらに広がるものと思われます。
戦況が遅々として変化していないのもまた混乱の理由となりそうです。
NATO首脳会議において継続的なウクライナへの支援が表明されたものの、
ウクライナが望んだNATO入りは門前払いの扱いを受けましたが、
それには一向に進展しないウクライナの反転攻勢への苛立ちと懸念があるようです。
戦争は残念ながら長引きそうですが、その余波がウクライナ外に広がる懸念も出てきました。
こちらも要注意です。
2つ目は【G20の衰退とグローバルサウスの興隆】です。
今週インドでG20財務大臣・中央銀行総裁会議が開催されましたが、アメリカ、ロシア、中国も参加する中、
相変わらず合意文書が出せない状況です。それに加えてアルゼンチンやブラジルなどは閣僚のインド入りを見送るなど、
9月に首脳会議を控えているにもかかわらず、G20軽視ともとれる判断をしているのが気になります。
欠席した国々の関係者から聞いたのは
【G20はすでに存在意義を失っており、決して途上国のニーズを実現するプラットフォームではない。
ロシアによるウクライナ侵攻以降、G20も分断され、政争の場にされている】
という失望感でした。
その半面、グローバルサウスの協力関係が強まっており、新興国・途上国の優先順位はそちらに移ってきているようです。
偶然にもインドが両方の中心に座っていますが、確実にインドの影響力拡大の様子を伺うことが出来るエピソードかと思います。
3つ目は【増幅する北朝鮮の軍事力】です。
このところ弾道ミサイル発射実験が連発していますが、最近、行われたICBM級のロフテッド軌道での実験は、分析の結果、
全米を射程圏内におさめる能力を持っていることが分かりました。
核弾頭の小型化技術も確立していると言われていることもあり、
北朝鮮の脅威が北東アジアから太平洋全体に広がったと言えます。
それに呼応するように日米韓の安全保障協力も進展しています。
米韓間では核兵器の運用をめぐる協議体がスタートしていますし、
アメリカの原子力潜水艦が日本海近海にいるという情報もあり、北東アジア情勢の緊迫が高まっています。
(またそれに抗議するために、釜山攻撃を想定した短距離弾道ミサイルの発射もありました)
ウクライナをめぐる問題、NATOとの協力の深化も大事かもしれませんが、
目と鼻の先で高まる安全保障上の危機にいかに具体的に対処すべきか、
日本はしっかりと戦略を持っておかなくてはなりません。
前置きが長くなってしまいましたが、
【2‐国際情勢の裏側】のコーナーでは、
【プーチン大統領の本当の狙い】と題して、ウクライナ情勢についてお話しいたします。
今回のメルマガも長くなりましたが、どうぞ最後までお付き合いくださいね。
それでは今週号、スタートします★
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