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安倍晋三元総理と拉致被害者(中)/有田芳生の「酔醒漫録」第29号

有田芳生の「酔醒漫録」
▼ 第29号 2023/7/21 ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 有田芳生の「酔醒漫録」 *毎週金曜日発行* ━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆目次 1・「評言独語」──安倍晋三元総理と拉致被害者(中) 2・「酔醒漫録」──7月14日~7月20日 (アイヒマン処刑の秘密、安倍官邸の対立人脈、コロナ陽性日記など) ★発売中の有田芳生著書★ ・『改訂新版 統一教会とは何か』(大月書店 2022/9/21発売) http://www.otsukishoten.co.jp/book/b610995.html ・『北朝鮮 拉致問題 極秘文書から見える真実』(集英社新書 2022/6/17発売) https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=978-4-08-721217-4 ━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1・「評言独語」──安倍晋三元総理と拉致被害者(中) ━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼岸田政権が拉致問題解決に向けて本気で進みたいなら、安倍晋三政権の遺産から出発するしかない。そのための基本は2つある。まずは「日朝平壌宣言」(2002年9月)を基礎に置き、さらに「ストックホルム合意」(2014年5月)を活用することだ。前者からは21年、後者からでも9年が経過した。安倍晋三元総理はどう理解していただろうか。 『安倍晋三回顧録』(中央公論新社、2023年) の「官邸一強」(第4章)に「日朝交渉 期待外れのストックホルム合意」という項目がある。 このタイトルに安倍元総理の「ストックホルム合意」に対する評価が端的に現れている。蛇足だが『回顧録』は、他の政治家たちも同様だが、語りっぱなしのものが多い。この『安倍晋三回顧録』についても政治学者の御厨貴さんは、〈私たちがオーラルヒストリーをする際に気をつけていることは、語り手と聞き手が、少なくとも建前上は対等の立場で作業をすることです。ところが、この本では安倍氏自身がとにかくしゃべり倒しています。関係者は否定しますが、対等の立場でやりとりをしたとはとても思えません〉(『朝日新聞』23年7月8日付)。この北朝鮮問題でも、言いたいことだけは語り、都合の悪いことは記録されていない。なぜ「ストックホルム合意」は「期待外れ」だったのか。 ▼安倍元総理は期待があったことをこう語っている。

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  • 有田芳生の「酔醒漫録」
  • 2000年からブログに日記を書いてきました。思いは「私家版現代史の記録」です。「日記は書いておかないと不安なんだよ。忘れてしまうと消えてしまうから、自分が生きていて、あのころはどうだったというのを忘れるのが不安なんだよ」(渡辺京二『幻のえにし』)。同感です。私が綴るのは、メディアを中心に仕事をする一個人の眼から見た世界と日本です。「酔醒」は、酔ったり醒めたりという意味で、中国の「梁書」に記述されています。「漫録」は随筆の意味です。人生は、酒を飲まずとも「酔ったり醒めたり」の繰り返し。同時代に生きる皆さんにリアルな情報を提供、共有し、しなやかで強靭な精神をお互いに涵養していきたく思います。
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