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はじめに
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6月27日のフランス・パリ郊外ナンテールにてアラブ系の少年が白人警官に射殺されたことで、暴動はフランス全土に広がった。
警察のいわば”暴力”を、偶然居合わせた市民がスマートフォンで撮影し、インターネット上にアップ、動画が拡散され、暴動が過熱するという構図は、2020年にアメリカで黒人男性ジョージ・フロイドが警官に首を圧迫されて殺された事件と似ている。
現地ナンテールはフランスの大都市周辺の最貧地域であり、以前から黒人・アラブ系住民と警官隊が一触即発の状態にあった。
フランスがこのような騒乱状態に陥ったのは、2005年以来のこと。このときは、パリ郊外で警官に追われた若者が逃げきれずに事故により2人が死亡、1が重傷を負った。このときの暴動は、3週間続く。
仏グルノーブル政治学院の社会学者セバスチャン・ロシェは、フランスの警察には、
「人種差別と残虐性という二重の問題」(1)
があるとし、しかしながら、
「歴代の政権はどちらからも目を背けてきた」(2)
とした。
とくにフランスの警察が威圧的なのは昔からであり、ほかの人種に対してはとくに厳しかった。少年が射殺されたバンリューと呼ばれる地域では、貧困と犯罪が同居しており、警察がそこを”犯罪の巣窟”と決めつける。
また、ロシェによるちと、2005年の暴動を境に、歴代の政権はバンリューへの治安維持に対するアプローチを変え、それまで以上に強硬な対応を取るようになったという。
さらに2020年以降、フランスでは平均すると年に44人が警官により殺されており、この数はドイツやイギリスよりもずっと多いという。
その原因の一端は、2017年に大統領となったマクロン大統領が警官の数を急激に増やしたことと関係が(3)。
結果として倍率は低下し、もともと50人に1人程度の採用だったのが近年では5人に1人になった。訓練の期間も短縮され、ドイツが3年なのに対し、フランスはわずか8カ月だ。このようなやり方で警察への信頼が高まるわけがない。
(1) ニューズウィーク日本版「乱暴で高圧的、異民族に厳しいことで有名...なぜフランスの警官は「荒くれ者」ぞろいなのか?【注目ニュースを動画で解説】」Yahoo!ニュース、2023年7月21日、
https://news.yahoo.co.jp/articles/471358583d3bad6bfee43149489aa39c907a6788?page=1
(2) ニューズウィーク日本版、2023年7月21日
(3) ニューズウィーク日本版、2023年7月21日
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大阪・関西万博、問題続々 海外パビリオン、「申請ゼロ」 すべてはIRのために 万博を”建前”にしてカジノ業者を優遇
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再来年の2025年に開催が迫る大阪・関西万博に危機が迫っている。万博の「華」として注目される海外のパビリオンの建設申請が、これまで1件もなされておらず、準備の遅れが危惧されているのだ。
大阪・関西万博には、これまでに153の国と地域が参加を表明しており、技術や文化を紹介する展示施設である「パビリオン」を設けることになっている。
このうち、50カ国余りの国がパビリオンの費用と自ら負担して建設することになっているが、これまで必要な建設許可は大阪市に申請した国はいない。
博覧会の資料によると、当初の計画では建設許可を申請してかた建設を始めるまでの期間は4カ月ほどを想定されており、建物本体の工事は来年の7月までに終える予定となっている(1)。
パビリオンの設置には、「タイプA」「タイプB」「タイプC」の3種類の方法が用意。
「タイプA」には、参加国が博覧会協会から敷地の提供を受け、建物の形状やデザインを自由に構成する方法。これは、それぞれの国や地域の個性や外観などが反映されるため。万博の「華」として注目されている。
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