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第224号 10月の解散総選挙へ、レディ・ゴー!/土用の丑の日/続・月涼し/苗字と名前と芸名と

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  • 2023/07/26
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「10月の解散総選挙へ、レディ・ゴー!」 7月16日から3泊4日という強行スケジュールで、サウジアラビア、UAE(アラブ首長国連邦)、カタールの中東3カ国を歴訪して来た岸田文雄首相ですが、官邸主導で自民党のスポンサー企業40社が同行したことが分かりました。それで、あたしは、「ああ、やっぱり10月に解散総選挙なのね」と思いました。 いくら常勝軍団の自民党政権でも、選挙は水ものなので「絶対」はありません。あのソフトバンク・ホークスですら12連敗する時代なのです。そんな不安定な時代に、モリカケ問題や桜を見る会問題など、数々の疑惑にまみれながら、それでも7年8カ月にも及ぶ長期政権を実現した安倍晋三元首相は、もしも自分から政権を丸投げしなければ、「10年は続いていた」という人もいます。 疑惑まみれの上、公約の大半が「丸投げ」か「先送り」で、公約達成率は10%以下。その一方で、多くの国民が反対した数々の悪法は、知らぬ間の閣議決定か数の暴力による強行採決。こんな最低最悪のデタラメ政権が、どうして7年8カ月も続いたのでしょうか?それは、「解散総選挙による延命ループ」という自民党の伝統芸を駆使して来たからなのです。 皆さんご存知のように、衆議院議員の任期は4年ですが、時の首相は専権事項として、4年の任期満了を待たずに解散総選挙を行なうことができます。解散総選挙は大きく分けて二種類、政権が維持できないほど支持率が下がった時の「ヤケクソ解散」と、政権が維持できる状況のうちに手を打つ「延命解散」があります。 戦後の現行憲法下で行なわれた衆議院選挙、計25回のうち、ちゃんと4年の任期を満了して行なわれたのは、1976年の三木内閣時代の1回だけです。残りの24回は、民主党政権時代の野田内閣の「ヤケクソ解散」を含め、すべてが時の首相の政治的都合による解散総選挙なのです。 こうした流れの果てに、安倍元首相も、自身の疑惑が原因で支持率が下がり始めると、まだ任期は残っているのに、ナンダカンダと理由をつけて解散総選挙を行ない、疑惑をウヤムヤにして延命を重ねて来ました。2014年11月の「アベノミクス解散」、2017年9月の「国難突破解散」と、2回も自分の個人的な都合で解散総選挙を行ない、第4次内閣まで延命を続けたのです。 もちろん、これは歴代の首相がやって来たことですから、安倍元首相だけを批判するつもりはありません。しかし、安倍元首相の場合は、自身が解散総選挙を決めると、その日程に合わせて、姑息な事前選挙活動を繰り返して来たのです。その1つが「自民党のスポンサー企業を数十社も引き連れての外遊」であり、もう1つが「旧統一教会との選挙協力の確認」でした。 外遊好きの安倍元首相は、在任中、毎年10回を超える外遊を続けて来ましたが、安倍元首相にとっての外遊は「バカンス」でしたから、その多くは単独の外遊でした。しかし、今回の岸田首相の中東歴訪のように、安倍元首相が自民党のスポンサー企業を数多く引き連れて複数の国々を歴訪することもありました。そして、その場合には、必ずその後に解散総選挙が行なわれて来たのです。 通称「大名行列」と呼ばれた安倍元首相の海外歴訪に同行した日本の大企業は、首相のトップセールスによって相手国との大きな事業を結ぶことができました。そして、その後に行なわれる解散総選挙では、社を挙げて、グループ企業を挙げて、自民党政権に「鶴の恩返し」をして来たのです。今回、岸田首相が「40社ものスポンサー企業を引き連れて行った」と知って、あたしは、すぐに「ははぁ~ん」と思いました。 そして、解散総選挙が近いということは、帰国した岸田首相が次にやることは、しばらくホッタラカシにしていた「国民への気配りパフォーマンス」だと予想しました。すると、あたしの予想はビンゴでした。帰国翌日の20日、松野博一官房長官は会見で、「明日21日、岸田総理が栃木県足利市の障害者支援施設を訪れ、車座対話を実施する」と発表したのです。 岸田首相は、この視察を皮切りに、豪雨被災地である福岡を始め、鳥取、群馬などを巡り、ここのところトンと耳にしなくなった「車座」の対話で、各地の人々から現場を声を聞き、国民の声に沿った政策を力強く進めるなどと述べました。あまりにも「選挙用パフォーマンス」だということが見え見えですが、岸田首相がこの全国行脚を決めたのは6月のことでした。 本来なら5月の「G7広島サミット」を成功させ、支持率が急増した6月に解散総選挙に打って出る作戦でした。しかし、首相政務官をつとめる息子、翔太郎氏の官邸でのドンチャン騒ぎが報じられた上に、マイナンバートラブルに対する河野太郎デジタル相の対応の悪さが国民の反感を買い、内閣支持率は急落。これではとても解散総選挙など行なえません。そこで岸田首相は解散総選挙の日程を先送りして、支持率回復のために「夏には全国行脚をして国民の声を聞いてまわる」などと述べたのです。 つまり、21日からの全国行脚は、6月から予定されていたものというわけですが、こんな口約束、アレコレと理由を付けて反故にしても良いのですから、きちんと守ったと言うことは、スポンサー企業を引き連れた中東歴訪とも相まって、「迫り来る解散総選挙」を示唆していることになります。そして、もう1つ、10月の解散総選挙を予見させる動きがあるのです。 安倍元首相の時は、選挙が近くなると、自民党の各候補者の重要な「マンパワー」として、祖父の代から癒着している旧統一教会との選挙協力や組織票の割り振りなどが行なわれて来ました。たとえば、旧統一教会の機関紙である月刊「世界思想」では、安倍政権下での解散総選挙が近くなると、安倍元首相の政策を褒め称え、野党を批判する記事を特集して来ました。 安倍元首相が数々の疑惑から逃げるために、北朝鮮の脅威を煽って強引に解散総選挙に突入した2017年、選挙直前の「世界思想」では「大儀なき解散だ」とする野党を厳しく批判し、選挙後の「世界思想」では支援者と笑顔でハイタッチする安倍元首相の画像が表紙を飾り、「さあ改憲だ」と息巻いています。まるで「安倍元首相のファンクラブの会報」のようでした。 しかし、現在の岸田首相の場合は、旧統一教会の韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁から「岸田を連れて来て教育しろ」などと呼び捨てでイチャモンをつけられる始末なので、もう、旧統一教会とは手を切ったのか?‥‥と思ったのも束の間、実際は、自民党の国会議員のうち少なくとも180人以上が「過去に関係があった」と証言した昨年9月から、自民党と旧統一教会との癒着は何ひとつ変わっていなかったのです。

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