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2023年7月26日:堕落しきったメディア
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著者:システムズリサーチ:吉田繁治
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1週間前から、次の著作を書いています。署名はまだ仮ですが、『大転換』、戦後の世界経済、政治、軍事、金融、社会と情報が、同時に、80年ぶりに次のパラダイムに向かい転換しようとしているように見えるからです。
9月末が締め切りです。書店に出るのはたぶん11月からか。紙の本は、リアルタイムのメールマガジンと違い、時間がかかります。
現在の西側世界は、情報面でパラレルワールドになっています。われわれは、メディア情報で世界のできごとを知る間接的な世界に生きています。メディアによって、見る世界は広がった。しかしその内容は、「グーテンベルグの銀河系」(マクルーハン)になった。
グーテンベルグは、西欧ルネサンスの前、15世紀の活版印刷の発明者です。羊皮紙への手書きと、牧師からの口伝だった聖書を印刷して、広く普及させた。人々は、文字を読んで聖書を知るようになった。
これがグーテンベルグの銀河系です。グーテンベルグの活版印刷(=メディア)が伝える世界が、現実の世界になってきた。
マクルーハンが言った、「メディア(当時は活版印刷=情報)はメッセージ」とはこの意味です。メッセージとは、認識と行動を促す情報です。TVがメッセージを発するとは、TV報道が世論を動かすということです。
大ジャーナリストの大宅壮一は、TVが家庭に普及したとき「1億総白痴化」という名言を発しました。TV情報は感情に訴えるので、概念で論理的に考える思考力は減退します。その現象を、TVで動かされる思考力を失った白痴と言ったのです。活字なら概念です。自分で考えなければ、内容が読みとれない。しかし映像は、考えない感性に直接訴えるからです。
情報は、世界内の事実としての現象を、映像、言葉、数字で表す方法で、どこかの知らない人間によって、何かの意図をもって書かれたもの、作れたものです。
事実はひとつでも情報は異なることができます。同じ景色を見ても人によって異なる絵(=表現)が描かれることと同じです。同じ本を読んだ感想文も個人で違うでしょう。ところが、新聞やTVのジャーナリストの記事が、その個人よる意図をもった表現だと、一歩引いて考える人は少ない。
われわれは、直接経験の家庭、学校、職場、友人、街だけでなく、間接的に日本と世界からの情報を得て生活しています。もっとも日常的なメディアは新聞、TV、SNSでしょう。本や雑誌もメデイアです。学校教育もメディアです。
西側の主流派の新聞とTVメディアが、世界の事実を、捻じ曲げて伝えるように変わってきました。
◎クリントン政権のころから歪曲とフェイクが激しくなったようです。金融資本が、経済的に困難になっていた主流メディアを、株式取得や出資によって支配したときでした。
この時期から、米国ジャーナリズムは事実の公正な報道からは偏向した不公正な情報を国民に伝え、別の銀河系を示すようになったのでしょう。
中核にある機関がCIAです。CIAはCentral Intelligence Agency、インテリジェンスは、単に事実を直接に伝える情報ではなく、国民の世論を誘導する目的をもった情報を言います。
選挙制度の民主主義では、世論の支持がないと、政権は維持できず、自己権益の拡大が目的に潜んだ作った法案や政策も、実行できない。
その法案や政策によって直接に、多くの場合は間接に利益を得る集団や会社があります。その国の最大のマネー(税+国債)を分配する財政支出の周りは、多くの大手企業が固めています。
NTT、NEC、富士通、日立などのITゼネコンもそれです。政府から受託するシステム開発の元請けになって、開発管理料という中抜きをし、一次、二次、三次下請けで開発する。最末端の下請けの開発費は安い。経産省の官僚はIT大手に天下ります。問題のあるマイナンバーもITゼネコンが、高い費用で開発を請け負っています。日本のシステム開発力が米国、中国より弱い理由は、このITゼネコンの仕組みがあるためです。
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