第609号
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
岩上安身のIWJ特報!
ウクライナ紛争への深入りは「米国覇権の終わりの始まり」?
米国依存から離脱する動きがグローバルサウス諸国で急加速!
岩上安身による元外務省国際情報局長・孫崎享氏インタビュー
(その1)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「これは軍事クーデターではなく、正義の行進だ。抵抗する者は破壊する」。
2023年6月24日(ロシア時間の6月23日)、ロシアの民間軍事会社ワグネルの創
始者であるエフゲニー・プリゴジン氏が、自身の部隊を率いて、ロストフ・ナ・
ドヌーにあるロシア南部軍管区司令部を含む重要な治安拠点を占拠。部隊の一部
が首都モスクワに向かって北上するという軍事クーデターが起こり、世界中の耳
目を集めた。
・エフゲニー・プリゴジン氏(Wikipediaより)
https://bit.ly/47iM630
ワグネル部隊は5月20日、ウクライナ東部ドネツク州のバフムートを激戦の末に
制圧し、プーチン大統領から賞賛を受けてその名を上げた。
だが、ワグネル部隊を、同軍の一部として統合し、統率したいと考えるロシア
国防軍と、プリゴジン氏との関係は悪化し、プリゴジン氏はセルゲイ・ショイグ
国防大臣やロシア軍のワレリー・ゲラシモフ参謀総長の名前をあげ、名指しで痛
烈に批判してきた。
クーデター情報は錯綜し、一時は「プーチン大統領が所在不明」というニュー
スも流れて、ロシアは分裂し、内戦状態に陥るのではないかといった西側マスメ
ディアの報道・情報が「期待」や「願望」を込めて、しきりに流された。
しかし、ワグネル部隊はモスクワの手前200キロで進軍を中止。ベラルーシのル
カシェンコ大統領の仲介により、誰の血も流れずに約2日で「反乱」は終結。プリ
ゴジン氏はベラルーシに向かった、とされた。
この不思議な騒動の直後、2023年6月28日に、東京都内のIWJ事務所にて、岩上
安身は元外務省国際情報局長・孫崎享氏にインタビューを行なった。
・元外務省国際情報局長・孫崎享氏(IWJ撮影、2023年6月28日)
https://bit.ly/3KihcxA
岩上安身は、ウクライナ紛争に米国が深入りしすぎ、西側諸国が「プリゴジン
の乱」に過剰に期待をかけ、ことによれば関与していた可能性も出てきたとして、
「ロシアを弱体化させて、自分たちの覇権を強化するはずだったのが泥沼化して
いる。(「ロシアの分裂」をことさらに騒いでいるが)これは米国の覇権の『終
わりの始まり』ではないか」と問いかけた。
孫崎氏は同意し、米国がウクライナに集中している間に、中国は発展途上国に
どんどん投資と外交をやっていると述べ、「典型的なものは電気自動車。蓄電器
この記事は約
NaN 分で読めます(
NaN 文字 / 画像
NaN
枚)