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政治家の度量と『ちっちゃさ』:吉田茂、石橋湛山、佐藤栄作、岸信介、中曽根康弘、宮沢喜一、竹下登、安倍晋三、そして我らが令和の『岸田文雄』

藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~
僕は、今年の冬、他界されてしまった政治評論家の森田実先生にいろいろとご指導いただいてきましたが、その森田先生に「昔の政治家はどんなんでしたか」と聞くと、「昔の政治家は立派だった。戦争は2回経験しなければいかん。第1次世界大戦と第2次世界大戦をともにくぐり抜けてきた1800年代後半生まれの政治家は立派だった。ところが、第2次大戦しか経験してないような中曽根康弘あたりから、政治家はえらく小さくなったんだ」とおっしゃってたんですね。  だから、吉田茂、佐藤栄作、石橋湛山はすごく立派だった、でもニューリーダーと呼ばれたような中曽根や宮沢喜一だとか竹下登あたりから、小さくなった、というのが森田先生の見立てだったんですね。でも、中曽根さんや宮沢さんが小さい政治家だっていうなら、いまの政治家なんて、肉眼で確認できないくらいめっちゃくちゃちっちゃい政治家になってるんじゃないか!?って話になりますよね。  で、森田先生がおっしゃってた「戦争をくぐり抜ける」ってことの大切さですが、おそらくそれで学んだものの一つはやはり、「賢さ」なんじゃないかと思います。当たり前ですが「馬鹿」は戦争で絶対に勝てない。必ず負ける。だから戦いにおいて「賢さ」はめちゃくちゃ大事です。 次に「優しさ」も絶対必要です。国を守る、婦女子を守る、故郷を守る、部下を守るといった優しさがあってはじめて、本気で戦う気力が湧いてくるわけですから。 さらに当たり前ですが、それが戦争である以上、強さ、気概、が必要であることは言うまでもありません。 つまり、2回の戦争を通して、先程泉さんがおっしゃられた「賢さ」と「優しさ」と「強さ」、すなわち言い換えるなら、知・情・意がすごく鍛えられたんだと思います。 で、1回しか戦争を経験していない人たちは、それらが鍛えられたのはたった1回なので、たいして大きくなれなかった。森田先生からすると、えらく小さくなった、っていうことになるわけです。

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