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宮川ソフトバンク社長が楽天モバイル最強プランに「シビれる」 石川 温の「スマホ業界新聞」Vol.526

石川温の「スマホ業界新聞」
-------------------------------------------------------------------------------------- 石川 温の「スマホ業界新聞」 2023/08/05(vol.526) -------------------------------------------------------------------------------------- 《目次》 1.宮川ソフトバンク社長、最強プランに「シビれる」 ----データ専用契約の本人確認厳格化にも言及 2. NTTドコモがネットワーク品質改善を改めて説明 ----基地局のアンテナは、周波数別にチルト角度を微妙に調整 3.MNPワンストップ化、キャリアには「特に影響なし」 ----ネット契約よりも、ショッピングセンターのほうが集客力あり? 4.今週のリリース&ニュース 5.編集後記 -------------------------------------------------------------------------------------- 1.宮川ソフトバンク社長、最強プランに「シビれる」 ----データ専用契約の本人確認厳格化にも言及 ------------------------------------------------------------------------------------------ 某キャリアが「楽天モバイルの『最強プランって言い方、どうなのよ』」と各メディアを焚きつけて回っている。ただ、それだけ記事化するのはなかなかハードルが高いので、8月4日に行われたソフトバンクバンク決算会見で、宮川潤一社長に「最強プランという言い方、どう思います?」と単刀直入に質問をぶつけてきた。 すると宮川社長はなぜか「ありがとうございます」と言いつつ「名前をつけるのは、企業の自由。外部からコメントする立場では無く、実害はないので静観していたが、顧客に誤認される可能性が出てくるということで、現場が総務省と打ち合わせしているという話は聞いている」と回答してくれた。 さらに個人的な見解として「なかなか、シビれるという感じで見ておりました」とも語ってくれた。 かつては、ソフトバンクもいろいろとヤンチャしてきたイメージがあるが、そんな経験があるソフトバンクだからこそ、いまの楽天モバイルの立ち振る舞いは看過できないのかも知れない。 楽天モバイルは5月24日から始まったMNPのワンストップ化を契機に、楽天銀行などのユーザーに対してワンクリック契約を提供しはじめている。 現在はデータプランのみの提供だが、楽天モバイルとしては音声契約のMNPでも対応させるつもりのようだ。三木谷浩史会長は「8月には提供したい」としているが、楽天モバイルのオフィシャルコメントとしては「白紙」というのが正しいようだ。 そんなワンクリック化に対しても、宮川社長は「犯罪防止の観点からも本人確認はとても重要」だとしている。今の時代、データ通信だけであっても、音声通話アプリを使えば、電話のように利用できる。宮川社長としては、法整備自体を見直し、本人確認が不要なデータ通信契約専用回線を本人確認必須にするよう総務省に働きかけたいとしている。 ソフトバンクからの横やりに対して、総務省はどのように動くのか。 確かに本人確認については050番号に対しても、契約時の本人確認を義務化するという動きがでている。ここ最近、電話による詐欺行為を撲滅しようと本人確認を強化する雰囲気になりつつある。 そんななか、楽天モバイルは音声契約でもMNPのワンクリック化を実現できるのか。 ソフトバンクが総務省にどのように耳打ちし横やりを入れていくのか。また、ソフトバンクに続くキャリアは現れるのか。楽天モバイルの命運は総務省の判断に左右されることになりそうだ。 -------------------------------------------------------------------------------------- 2. NTTドコモがネットワーク品質改善を改めて説明 ----基地局のアンテナは、周波数別にチルト角度を微妙に調整 -------------------------------------------------------------------------------------- 8月2日、NTTドコモはネットワーク品質改善に対する取り組みをメディアに説明する会を開催した。 そのなかで、個人的に気になったのが、基地局の微調整だ。 街中にある基地局のアンテナを、ユーザーが多いところに向けて、物理的に角度を調整したり、パソコンを使って遠隔操作でチルト角を調整していくというものであった。 もちろん、NTTドコモでは多数の周波数帯を持っているため、1つの基地局において、それぞれの周波数を微妙にチルト角を変えていくという調整を続けているのであった。 まるでMicrosoft Accessでアプリを動かしているユーザーインターフェースであった。まさにアナログ的な作業であり、職人技の域に入っているように感じた。 一方、そうしたネットワーク管理画面で驚かされたのが、楽天モバイルだ。 確か昨年のMWCでは、楽天モバイルが実際に使っているというネットワーク管理画面を、スペイン・バルセロナからつないで見せていた。 まさに、AWSやGoogle Cloud、Azureのようなクラウドを管理するようなダッシュボードになっており、地図を表示しつつ、その上に基地局がどこにあり、アンテナがどの方向を向いて、どれくらいの出力で出ているのかなどが一目でわかるようになっていた。 こうした管理画面を見るだけでも、NTTドコモは歴史があり、多数の周波数帯を持っているということもあり、なかなか新しいシステムに移行しにくいだろうなぁ、というのが推察できる。 一方で、楽天モバイルは扱う周波数帯が1つか2つ程度しかなく、とにかく新しいキャリアと言うことで、実にシンプルで、誰でも扱えるような管理画面になっているのが印象的であった。 今週、Rakuten Optimismというイベントが開催されたが、そこでも、楽天モバイルのネットワークはクラウドネイティブのオペレーションプラットフォームにより、エンド・ツー・エンドの自動化が可能であるとアピールされていた。 NTTドコモとしてはOpen RANサービスブランドとして「OREX」を立ち上げ、世界にOpen RANを提供しようとしており、いまの楽天モバイルが実現しているような世界観を展開していくことだろう。

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