久米信行(裏)ゼミ「大人の学び道楽」
授業や講演では話せないこと。連載やSNSでは書けないこと
毎月第1-4 火曜日発行 vol.144 2023/08/08発行
*========*========*=======*=======*
4 大人の放課後相談室
Q 少年野球の練習長過ぎる問題
今年から小学3年生の息子が少年野球チームに入っています。楽しそうにしているのですが、親としては練習時間が長いのが悩みです。土日祝日、基本的に朝から夕方まで活動することが基本で、付き添う親としては、1日が潰れてしまうのがなかなかのしんどさです。
世の中の野球少年の親は、どうやりくりしているのか気になります。
また、少年野球チームの親仲間たちは、「それが野球の当たり前」と、覚悟を決めており、相談もしにくいのが悩みです。
息子に続ける意志がある限り、続けたいと思いますが、付き添いの負担をどうやって減らすか、悩みどころです。
伝統や慣習に重きをおく世界で、自分のペースを保つ秘訣があれば教えてください。
(神奈川県/42歳/男性)
A お受験か中学の部活が始まるまでの大切な親子時間。それでも大変ならお任せしつつメリハリある協力を。
土日祝が全日潰れてしまうのは大変な時間拘束ですね。逆に小学3年生のお子さんが、そんなにハードなトレーニングを(しかもこの暑いさなかに)続けて大丈夫なのか、ちょっと心配でもあります。(ちゃんとした科学的トレーニングがされていれば良いのですが?)
■基本的な心構え:あと1~3年だけの特別な時間と心得る
とは言え、お子さんが楽しんで、自分から行きたいという間は、つきあってあげるのが大切な父親の役目だと考えます。
というのも、思っているほどには、その大変な時期は長続きしないからです。むしろ、後で振り返れば、人生における大変貴重で短い父親と息子との共有時間と言えるかもしれません。
◎理由1 中学受験の準備が4年生ぐらいから始まる
息子さんが現在3年生ということなら、来年の春休みには中学受験の準備(塾通い)が始まることでしょう。
もともと私は、自分の経験から、息子たちは地元の公立中学に通って多様な友人との交流ができる方が良いと考えておりました。しかし、妻は違いました。まわりのママ友に影響されたのか、中学受験をするのが当たり前と考えて、4年生から塾通いが始まったのです。
それはそれで大変でしたが、そこで息子は二人とも勉強好きになってくれたようです。おかげさまで中学受験に成功しました。そして、浪人や留年(私は恥ずかしながら留年経験者ですが)することなく大学卒業と就職に行きついたので、トータルで考えれば学費負担の面でも親孝行してくれたと息子たちと妻に感謝しています。
中学受験はお金がかかると思われるかもしれませんが、今は国公立の中高一貫校が人気です。また、私立高校であっても、現在は所得制限があるものの実質授業料無料化という良い時代になりました。
大学も、がんばって国公立に入ってくれれば学費負担はかなり抑えられます。わが家では一人は国立、一人は私立だったので、その差は歴然でした。
つまり将来、予備校などの出費をするのであれば、小学校の時のスタートダッシュの方が大切なのです。もちろん、スポーツと同様に勉強も、小学生の時に好きになってくれた方が、その後は自分で勝手に修行?するため楽なので、長期的には子供のためにもなります。
小学3年生になった今、良い機会ですから、奥様と息子さんの未来についてよく話し合ってみてはいかがでしょう。
◎理由2 中学生は部活天国?別のスポーツや趣味を選ぶ可能性大
仮に、中学受験はしないと夫婦で話し合ったとしても、親子同伴のスポーツ修行を、お子さんが選び続けるかどうかはわかりません。
中学生ともなれば思春期ですから、親と一緒に行動するのを嫌がるはずです。
そして、入学する中学校によっても違いますが、小学生の時よりも部活の選択肢がかなり広がるはずです。
野球はきっと人気ですから、部活のメンバーも多く、競争も激しいはずです。それ以外にも楽しそうなスポーツ、あるいは文化活動が見つかるかもしれません。
この記事は約
NaN 分で読めます(
NaN 文字 / 画像
NaN
枚)