メルマガ読むならアプリが便利
アプリで開く

第79回 首都の大水没という可能性が垣間見えた台風5号の豪雨被害

富坂聰の「目からうろこの中国解説」
 6月を過ぎた中国では豪雨や洪水のニュースがにわかに増える。政府の頭痛の種だ。  香港で民主化デモが激化した2019年にも、李克強総理が関心を示したていたのは、むしろ各地で起きている洪水対策だった。  中国で「出水期」と呼ばれる危険な季節は年々厳しさを増してきている。2022年には〈中国全土の降水量は例年より約3割も多く、増水は例年だけでなく昨年と比べても厳しい状態になりつつある〉と『人民日報』が報じている。  そして洪水の後に中国全土に襲い掛かるのは干ばつである。国内のメディアは大雨から一転して水不足のニュースに振り回される。これも恒例の展開だ。  だから洪水と聞いても驚きはなくなっていた。しかし今年は少し事情が違っていた。首都、北京に被害が及んだからだ。  雨が少なく乾燥している。それが一般的な北京のイメージだ。故に大雨の想定はあまりなく、洪水対策は遅れているのではないか、と思われがちた。  だが、そうした思い込みはいろいろな意味で裏切られた。

この続きを見るには

この記事は約 NaN 分で読めます( NaN 文字 / 画像 NaN 枚)
これはバックナンバーです
  • シェアする
まぐまぐリーダーアプリ ダウンロードはこちら
  • 富坂聰の「目からうろこの中国解説」
  • 中国報道で日常的に使われる言葉や表現、これを詳しく分析すると、これまで知っていた事実とは違う世界が見えてくる。ニュースのミスリードから脱する処方箋を書く。
  • 990円 / 月(税込)
  • 毎週 日曜日(年末年始を除く)