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「世界経済・市場花だより」第632号 米国国債格下げを単なる「きっかけ」として、日米等の株価は「正常化」へ/同じ流れが続くか

馬渕治好の週刊「世界経済・市場花だより」
******************************* 馬渕治好の週刊「世界経済・市場花だより」  ******************************* 第632号(2023/8/6) 米国国債格下げを単なる「きっかけ」として、日米等の株価は「正常化」へ/同じ流れが続くか この週刊「世界経済・市場花だより」は、めまぐるしく変化する世界の経済や市場の動きなどについて、ブーケ・ド・フルーレット馬渕治好が、わかりやすく解説します。 ※ 自主開催セミナーの予定です(カッコ内は、現時点でのお申し込み数/定員、です)。残席は、10を下回った場合に表記します。 9/16(土)札幌(3/25) 9/23(土、祝)葛西(6/20) 9/30(土)高岡(3/25) 10/7(土)名古屋(6/25) 10/14(土)福岡(3/20) 10/21(土)浅草(11/20)(残席:9) 10/28(土)大阪(3/18) 9~10月の設定では、会場の都合で、東京浜松町、横浜でのセミナーはありません。何とぞご容赦ください。 ウェブセミナーも、開催を検討しています。日時が決まり次第、お知らせします。 セミナーのスケジュールは、 http://bd-fleurettes.eco.coocan.jp/sub3.html のページの下の方にあります。詳細やお申し込みは、それぞれのリンク先をご覧ください。 上記のリンク先には、自主開催以外のセミナーの予定も掲載しています。 ☆過ぎし花~先週(7/31~8/4)の世界経済・市場を振り返って <米国国債格下げを単なる「きっかけ」として、日米等買われ過ぎた株価の「正常化」が始まった> (まとめ) 先週の世界株価は、先々週の米FOMC(連邦公開市場委員会)や日銀金融政策決定会合を通過した安心感からか、上値を探る動きとなりました。 しかし8/1(火)現地時間(8/2(水)日本時間早朝)に、米格付け会社のフィッチが米国国債の格付けを引き下げると、主要国の株式市場に混乱が生じました。この引き下げは深刻視するには当たらない、との声も挙がり、短期的な市況の混乱は徐々に終息に向かったものの、主要国の株価は勢いを失っています。 これは、米国国債の格下げ自体は、別に驚きではなく、また深刻な悪材料ではないと判断できるものの、元々日米等の株価が過度の楽観に包まれ買われ過ぎであったため、格下げを単なる「きっかけ」として、買われ過ぎの剥落という「正常化」が始まったと解釈すべきでしょう。 (詳細) 先週の世界株価は、滑り出しは楽観が支配的となり、株価指数の上値探りとなりました。たとえば日経平均株価は、8/1(火)には33500円に迫り、買われ過ぎがぶり返しました。 こうした楽観の背景には、先々週の注目イベントであった、米FOMC(連邦公開市場委員会)や日銀金融政策決定会合を通過したため、投資家の間に安堵感が広がった、ということが挙げられます。 こうした楽観が暗転したきっかけは、米国国債に対する格下げでした。8/1(火)の米国市場引け後(米国東部時間で同日の17時頃、日本時間で8/2(水)の6時頃)に、同国の格付け企業であるフィッチ・レーティングスが、米国の長期発行体格付けを、AAAからAA+に、1段階引き下げたことでした。 なお、フィッチは経済・金融環境として、「信用環境の引き締まり、設備投資の低下及び消費の減速のために、米国経済は2023年第4四半期及び2024年第1四半期に小幅な景気後退に陥るとみられる」「FRBは住宅ローン担保証券及び米国債の保有を引き続き削減しており、それがさらに金融環境をタイト化させている」(同社プレスリリースより)と、懸念すべき点をまっとうに指摘しています。 これは、最近までの米国市場が「米景気は強いし、金融引き締めはどうせ大したことがない」と、投資環境の悪化を軽視して、楽観にばかり邁進していたことと、対照的です。 それはさておき、これまで金利の変動要因として、景気やインフレ率の動向(およびそれに基づく連銀の金融政策)ばかりを注視していた米債券市場は、「財政悪化」という別の要因が真横から飛んできたことにうろたえ、10年国債利回りは、8/4(金)は一時4.21%まで上振れ(債券価格は下落)しました。ただし週末には、同利回りは4.05%へと低下し、やや落ち着きを取り戻しています。 こうした長期金利の上昇などから、米国株価指数は下振れしました。これらの米国市場の波乱を受けて、日経平均株価は8/4(金)は一時32000円を下回る局面がありました(引けは32192.75円と、32000円台に戻して週を終えています)。

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