▼第61号
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2023/8/11
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ブラック企業アナリスト 新田 龍のブラック事件簿
Vol.061
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インデックス
【危機管理広報におけるお粗末な対応「ジャニーズ事務所」の場合】
【危機管理広報におけるお粗末な対応「ビッグモーター」の場合】
【告知】
【Q&A】
【本メルマガに関する免責事項】
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【危機管理広報におけるお粗末な対応「ジャニーズ事務所」の場合】
本年5月、ジャニーズ事務所創業者であるジャニー喜多川氏(19年没)による
未成年者への性加害疑惑について、現事務所社長である藤島ジュリー景子氏が公式
サイト上で謝罪動画を公開し、各所からの質問に対して回答した文書を掲載した
ことに大きな関心が集まった
圧倒的な人気を誇るタレントを数多く輩出し、芸能界で大きな影響力を持つ老舗
事務所のスキャンダルとして連日報道が過熱したが、芸能ニュースとしての報道は
専門のメディアにお任せするとして、今般は筆者の専門分野である炎上トラブル
対応とレピュテーション(評判)リスク管理の観点から、事務所の不祥事対応や危機
管理広報体制、そして事務所の組織運営に問題はなかったのか、といったテーマに
関して考察していきたい。
<ジャニー喜多川氏の性加害を巡る経緯>
そもそもなぜこのタイミングで、既に故人となっているジャニー氏の性加害が
問題として批判されることとなったのか。まずは本件を巡る経緯からみていこう。
ジャニー氏がエンタテインメント事業を志し、ジャニーズ事務所を創業したのは
1962年のこと。その後はトップアイドルを数多く輩出し、男性アイドル事務所と
して成功していくが、ジャニー氏が所属男性タレントに対して猥褻な行為をおこ
なっているとの噂は既に1960年代から流布しており、一部の週刊誌や元所属
タレントの著書等で報じられていた。
本件が大々的に報道されたのは1999年、「週刊文春」でジャニーズ事務所に関する
特集記事が掲載されたときだ。ジャニー氏が所属タレントに性的虐待をおこない、
未成年タレントの喫煙などがあると報道され、記事内容は国会(衆議院特別委員会)
でも取り上げられる騒ぎとなった。これに対してジャニー氏と事務所は、記事が
名誉毀損であるとして週刊文春を提訴。最高裁まで争われたが、結果的に2003年、
東京高裁においてジャニー氏のセクハラは「少年達が逆らえばステージの立ち位置
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