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【Vol.494】冷泉彰彦のプリンストン通信『アメリカの政治経済、変化の予兆』

冷泉彰彦のプリンストン通信
「大阪万博、危機を打開するための3つの論点」  大阪万博のパビリオン建設が危機的な状況になっています。56に及ぶ参 加国と地域が独自にパビリオンの建築物を作る計画を立てているようですが、 現時点では、建築許可を得るための基本計画を大阪市に提出したのは、韓国 だけのようです。  勿論、コンセプトや設計図はできているわけで、問題は施工業者が見つか らないということです。原因としては、慢性的な人手不足の中で、絶対的な 工期厳守が求められるプロジェクトは「請け負っても損」という判断から、 発注を請ける業者がいないためです。  この状況を踏まえて、3つの論点を提示したいと思います。  1つは、今からでも遅くないので公用語を英語として、アジア各国の元気 の良い企業をスポンサーとして引っ張ってくることです。イベント開催の資 金を確保するというだけでなく、そのようにして、インバウンドを呼び込ま ないと、高額チケットをさばくのは不可能でしょう。  2つ目は、リアルの世界での建築に問題があるのなら、総量を減らして、 思い切ってVRとMRの比率を拡大するのです。会場内だけで使用できる先 端的なゴーグルを貸し出して、2025年の時点では万博会場内だけでしか 経験できない、画期的なMRを実現すれば、施工業者への負荷は減らせると 思います。大会の成功ということでも、挽回のチャンスになるかもしれませ ん。  3つ目は、維新に奮起していただきたいということです。現在の苦境を目 の当たりにして、維新の皆さんは「官僚組織の罠に嵌められた」と悔しい思 いをしている(可能性はあります。動機は十二分にあるので)のかもしれま せん。ですが、「言い出しっぺ」が維新であるという事実からは絶対に逃げ られません。  上記の2つの提言を参考に、本当に真剣に考えて、今からでも遅くないの で「必ず成功させる」ということに、必死になっていただきたいと思います。 断言しますが、万博は維新の統治能力の試金石であり、失敗したら政権参加 はないというぐらいの気持ちで取り組んでいただきたいと思います

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  • アメリカ北東部のプリンストンからの「定点観測」です。テーマは2つ、 「アメリカでの文脈」をお伝えする。 「日本を少し離れて」見つめる。 この2つを内に秘めながら、政治経済からエンタメ、スポーツ、コミュニケーション論まで多角的な情報をお届けします。 定点観測を名乗る以上、できるだけブレのないディスカッションを続けていきたいと考えます。そのためにも、私に質問のある方はメルマガに記載のアドレスにご返信ください。メルマガ内公開でお答えしてゆきます。但し、必ずしも全ての質問に答えられるわけではありませんのでご了承ください。
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