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伏木悦郎のメルマガ『クルマの心』
第523号2023.8.1配信分
●『ことなかれ主義』こそが自ら変われない国日本の元凶
ゴールは『生涯を通じてクルマを楽しむことができる環境作り』
にある。いつまでも結論を先延ばしにしても仕方がない。現在只今
私の偽らざる心境だ。徒手空拳の思いを拭うことはできないが、こ
こまで生きてくればさすがに私利私欲ではなく、多少なりとも”世
の為、人の為”になることを最優先に考えたくもなる。
問題は少なくない。何よりも現状把握が不十分との思いがある。
時代は歴史の連続であり、流れの中にある。一度ついた勢いという
ものはそう簡単には変えられない。分かっちゃいるけれど、何もし
ない考えない人が多数を占め、『今まで通り』で居たいと思ってい
る。そうであるかぎり『茹でガエル』になることは避けられない。
『皆と一緒ならそれでもいい』。気分として分からなくもないが、
為す術なく終わっていたという状況だけは避けたい。メディアが大
衆迎合し、見たまんまあるがままの姿だけを肯定的に語り、情報の
専門家として責任ある言動を取ろうとしない姿が目につく。
その多くはポジショントークに終わり、それ以上踏みこまなくて
も給料には影響しない。サラリーマンシステムという戦後日本特有
の"誰も責任を取らない"仕組みに属してこなかった私には分からな
い感覚だ。少なくとも、フリーランスで40年以上やってきた一異端
児としては、ある種の『ことなかれ主義』こそが自ら変われない国
日本の元凶ではないか、と強く思っている。
かつてのように人口が一貫して増え続ける時代であれば、突出し
た才能は和を乱すという意味で避けられたのも仕方ない。組織を前
提とする集団主義は、スタープレーヤーを嫉妬の対象として遠ざけ
るし、強すぎるリーダーシップは時として独裁と見做される。奇跡
と言われた昭和の復興が、有能(とされた)官僚が企画し政府に民間
が従う形でもたらされたのは事実だろう。
そのコンセントレーションの高さは、成長吸収期だった20~30代
の私には理解できなかったが、半世紀近くを経た今なら断言できる。
活力に溢れた昭和末期のあの約20年はスペシャルだった。
しかし、時は流れ元号は昭和から平成の30年を過ぎ令和もすでに
5年となっている。少子高齢化社会は何十年も前から予見されてい
たが、具体的には2008年(平成20年)に日本の総人口は1億2808万
人でピークアウト。すでに15年が経過しており、1億2500万人規模
と減少モードに入っている。昨年の新生児数が1899年の統計開始以
来初めて80万人を割り込んだニュースは記憶に新しい。
●現代日本人の多くは戦後四半世紀25年を知らない
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