永田町異聞メルマガ版
「国家権力&メディア一刀両断」 2023.08.10
新 恭(あらた きょう)
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上関町に浮上した核燃料中間貯蔵施設プランをめぐるマヤカシ
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原発回帰に前のめりな岸田政権の政策を奇貨として、各電力会社は原発再稼働
を急いでいる。だが、原発を動かせば動かすほど、施設内のプールにたまって
いる使用済み核燃料が増え、満杯になる日が近づいてくる。
満杯になって、持っていき場があるかといえば、残念ながら無い。「トイレな
きマンション」とたとえられるように、最初からそんな場所や処分技術が確保
されていないからだ。そのうち何とかなると見切り発車したのが、そもそも原
子力発電というシステムだ。
そこで、日本政府と電力会社は、できもしないことをできるかのように吹聴し
てきた。使用済み核燃料を再処理してウランやプルトニウムを取り出し、再び
燃料にして原発で燃やす。つまり「核燃料サイクル」だ。この構想の中核であ
る高速増殖炉の開発に途方もない巨額投資をし、あえなく失敗した。それでも、
“原子力ムラ”は諦めない。いつまでも“神話”を生かし続けねば、原発温存
政策の土台が崩れるからだ。
山口県の上関町に、原発から出る使用済み核燃料の中間貯蔵施設を建設するプ
ランが持ち上がっている。中間貯蔵施設も、核燃料サイクルの一環として考え
出されたものだ。
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