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229回 マスメディアの資格のない警察の広報機関に成り下がったテレビ局

和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」
木原という人は何をやっても奥さんが離婚できないし、怒ることもできないことをいいことに好き放題放埓な生活を送っているようだ。 今度は違法風俗店への出入りが報じられている。 こっちのほうは別のメディアも叩いているが、相変わらずテレビ局はだんまりだ。 後でも書くがテレビというのは、いやらしいスキャンダルの報道には熱心だが、巨悪に対しては、政府の御用広報機関になりさがっている。 菅という人が官房長官だった当時に、どの局も放送法の指針に従っていないことや電波料が異常に安いことを各テレビ局の経営者に話したようで、それ以降、日本のテレビ局は政府の批判がものすごくしにくくなっているようだ。 その上、社員の年収1500万円を守るためには、なるべく取材をしないのが原則のようで、政府や警察情報を裏も取らずに垂れ流すことが通例になっている。 今回の木原氏の奥様の事件は、私が警察や検察のかなり偉い人やそのOBに聞く限り、証拠上、とても起訴ができない案件のようだ。 それでも、死亡状況の不信さや知り合いに人を殺したと告白したとかいう状況証拠とかで捜査を続けていた。 ただ、その捜査官を圧力をかけて飛ばしたのが事実なら、それも立派な状況証拠だろう。 あるいは、今回のように木原氏自身が妻に好き勝手出来るのは弱みを握られているからだというのも立派な状況証拠のように思える。 疑惑が事実でなければ、いまだに愛人に遭い続けることだって、違法風俗に出入りすることだって、妻なら許さないだろう。 状況証拠だけで死刑判決を受けた人に林真須美という人がいる。 心理学を学ぶものからして、目撃証拠は明らかに捏造とわかるものだ。 4人の目撃証人が立っていた場所とか、服装などが一致した証言をしたという。 目撃証言の研究者であるエリザベス・ロフタスという心理学者は目撃証言がいかにあてにならないかをあれこれと報告しているが、通常、こんなことはあり得ない。 私が弁護士なら、多くの裁判員の前にいきなる、スーツの襟でネクタイを隠し、「私のネクタイのガラと色を覚えていますか?」と聞くだろう。 せいぜい10人に一人しか覚えていないはずだ。 その後で、「直後でもこの程度しか覚えていないものです。それが4人とも一致したということは、警察の誘導とか、警察が作った証言にみんながYESと言っただけでしょう。場合によっては捏造もあり得ます。こんなことを証拠に一人の人間を死刑にすることに胸が痛みませんか?残りの人生ずっと後味の悪い思いをするかもしれませんよ」などと言うだろう。 それで裁判員の気持ちがどれだけ変わるかわからないが、林という人は、その程度の状況証拠で死刑にされてしまったのは確かだ。 状況証拠の積み重ねでというが、この木原という人は、ほとんど証拠のない事件で、わざわざ状況証拠を積み重ねているように思えてならない。 一庶民ならいかがわしい状況証拠で死刑になるのに、偉い人の奥さんなら状況証拠だけなので捜査打ち切りというのは、とても一国民として納得できない。

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  • 和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」
  • 世の中のいろいろなことにたった一つしかないと考え、それを信じ込むことは、前頭葉の老化を進め、脳に悪い。 また、それが行き詰った時に鬱になるというメンタルヘルスにも問題を生じる。 ところが日本では、テレビでもラジオでも、○○はいい、××は悪いと正解を求め、一方向性のオンパレードである。 そこで、私は、世間の人の言わない、別の考え方を提示して、考えるヒントを少しでも増やし、脳の老化予防、メンタルヘルス、頭の柔軟性を少しでもましになるように、テレビやラジオで言えない暴論も含めて、私の考える正解、私の本音を提供し続けていきたいと思う。 質問、相談、書いてほしいテーマ等、随時受付。
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