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第80回 南シナ海で再びフィリピンと緊張を高めた中国が抑制的な対応をした理由

富坂聰の「目からうろこの中国解説」
 8月5日、6カ国・地域が領有権を争う南シナ海で、くすぶっていた火種が再燃した。  現場となったのは南シナ海のスプラトリー諸島仁愛礁=アユンギン礁(英語名セカンド・トーマス礁)。同海域にはフィリピンの座礁した軍艦、シエラ・マドレがある。フィリピン側が同艦への物資輸送のため派遣した2隻の輸送船と巡視船に、中国海警局の巡視船が放水銃を使用し、排除を試みたことが対立激化の発端となった。  フィリピン沿岸警備隊は早速「中国が放水銃で攻撃してきた。国際法違反だ」と反発。  一方の中国海警局は、フィリピン側の行動を、「国際法と『南シナ海行動宣言』に違反する行為」と反論。さらに「われわれは何度も警告したがフィリピンの船は無視した。われわれは衝突回避のため放水銃で警告した。現場での行動に非難されるべきところはない」(中国海警局報道官)と説明。自らの行動を正当化した。  中比の主張は真っ向からぶつかり合い、非難の応酬は海から陸へと場所を変えて激しさを増した。

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