いよいよ中国経済の大崩壊が白日の下に晒され(さらされ)始め
ました。いよいよ「灰色のサイ」が暴走を始めたのです。
一部のエコノミストからは、長らく「不動産バブルの崩壊で中国
はかつての日本経済のように『失われた時代』に突入するだろう」
と言われていました。が、アメリカ経済学者のポールクルーグマ
ンは「中国はかつての日本経済のようにはならない。もっとひど
い状態に陥るだろう」と警鐘を鳴らしています。
その「中国不動産バブルの崩壊」がこの夏碧桂園(カントリーガー
デン)の破綻にまで波及しています。
中国にはバランスシートの概念がないので、はっきりしたことは
分りませんが、一説には碧桂園は日本円にして30兆円近い債務
超過に陥っていると指摘されています。実際の債務超過はもっと
大きいでしょう。
さて、中国の不動産バブルは、日本の不動産バブルとは違った形
で生成されました。日本の不動産バブルにはまがりなりにも「土
地」という実態のあるものが裏付けられていました。
ところが、中国の不動産バブルでは、裏付けとなる実態がなく、
「土地の70年間の期限付き使用権」という「紙切れ」の取引でし
た。中国では、「紙切れ」だけがどこまでも価格が上昇してバブル
を形成していたのです。
さらに中国不動産バブル崩壊は、西側とは異なった崩壊の仕方を
しています。政策当局が「住宅価格は暴落していない」と主張すれ
ば、住宅価格はたいして暴落しません。「その不動産開発会社は破
綻していない」と主張すれば、「破綻していない」ことになります。
その代わり、中国国内不動産販売の件数や総額が急速に冷え込ん
でゆきます。買い手がいなくなるからです。
中国国家統計局によれば、住宅の売上総額は2022年は前年比
26.7%減とのこと。実態がもっと大きいでしょう。
これは、もはやマクロ的な経済の大崩壊の始まりかも知れません。
今の中国経済はものすごい勢いでシュリンク(収縮、減速)してい
ると予想されます。
「共同富裕」ならに「共同貧困」を掲げる習近平は、「金の卵を生
む元気な民間企業」を虐めぬいています。
小手先の金融緩和や追加の財政出動などでは、もはや中国経済の
シュリンクは止められないでしょう。
中国経済はまだまだ数年は生き延びられるかもしれませんが、中
国経済の夜明けは訪れないでしょう。
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