メルマガ読むならアプリが便利
アプリで開く

第759回 やはりアメリカは不況になる可能性大、スティーブン・グリア博士の最新インタビュー その1

未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ
…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━… 第759回 やはりアメリカは不況になる可能性大、スティーブン・グリア博士の最新インタビュー その1 …━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━… ▼今回の記事 まず今回は、ウクライナの戦況について簡単にお伝えしたい。明らかにウクライナ軍の反転攻勢は失敗している。次にメインテーマとして、アメリカ経済が年内か来年早々にも不況に入る可能性について紹介する。最後に、「ディスクロージャー・プロジェクト」を主催しているスティーブン・グリア博士の最新インタビューを紹介する。長いので2回に分けた。今回はその1である。 ▼ウクライナの戦況 それでは今回はメインテーマを書く前に、ウクライナの戦況について書く。日本や欧米の主要メディアではウクライナ軍の反転攻勢の進展は遅いながらも、確実に領土を奪還しているという、明らかにウクライナ寄りの報道が中心だ。しかし、実際に詳しく調べて見ると、ウクライナ軍の反転攻勢は成功しておらず、領土の奪還もできていない状況だ。7月29日にビデオ配信のヤスの勉強会を行ったが、2週間経ってもそのときに紹介した戦況とほとんど変化がない。したがって、メルマガでも、勉強会で紹介した戦況を転載する。 ●ウクライナの戦況(7月29日から8月16日) ・ウクライナ軍の反転攻勢は基本的に失敗。 ・ウクライナ軍はロシア軍の防衛線を突破できていない。 ・6月4日から始まったウクライナ軍の反転攻勢では、ロシア軍が占領しているウクライナの領土、13万2000平方キロのうち、253平方キロを奪還したに過ぎない。これは、ロシア軍が占領している領土の0.19%に過ぎない。それも、ロシア軍が防衛線の外側に緩衝地帯として設置している「セキュリティーゾーン」の集落ばかりだ。 ・むしろロシア軍はハリキュー、ルガンスクで支配地域を拡大。 ・ロシア軍の地雷原と、ドローンのランセット3に西側が提供した兵器がやられる。 ・西側の兵器支援が限界にきている。 ●NATOとロシアの今後の対応 こうした、ウクライナ軍の反転攻勢が限界にきている状況で、アメリカを中心としたNATOも新たな対応を迫られている。著名なモスクワ在住の調査ジャーナリスト、ジョン・ヘルムスは独自のネットワークから得た情報から、今後の展開を次のように予想している。 ・カナダ情報筋によると、ゼレンスキーが11月までに勝利できる可能性を証明できなければ、クリスマスまでにNATOの支援は縮小。 ・クリスマス以降、ウクライナ軍崩壊の可能性。NATOは介入しない。 ・ロシアが黒海穀物イニシャティブを破棄した理由はウクライナが協定を隠れ蓑にして兵器を輸入したからだ。 ・穀物輸出拠点のオデッサ港がクリミア攻撃の拠点。 ・これが理由でロシアはオデッサをミサイル攻撃。 ・オデッサの海上インフラをすべて切断することでウクライナ経済の息の根を止め、オデッサが経済的に使えなくなるようにする。 ●西側が報じないロシアの目的 このように、ウクライナ軍の反転攻勢が失敗しているにもかかわらず、欧米や日本の主要メディアではロシア軍が負けているとの報道がなされている。その基本的な理由は、ロシア軍の支配領域がほとんど拡大していないからだ。ロシアの支配地域は、東部のドネツク、ルガンスク、そして南部のサボリージャー、ケルソンの4州に限定され、首都のキーウなどがある西部には拡大していない。この状況を日本の主要メディアはロシア軍が苦戦している証拠だと報道している。 しかしこれは、ロシアの目的の誤った認識に基づく判断である。プーチン大統領は昨年の2月から「特別軍事作戦」を行ってから、再三再四演説でこの戦争の目的を明確に主張してきた。それは以下の3つである。 1) 東部と南部のロシア語話者の権利擁護 2) ウクライナの脱ナチス化 3) ウクライナ軍の壊滅 そしてプーチンは、「ウクライナ西部の領土は求めない、領土拡大はしない」と何度も声明している。このような状況から見ると、ロシア軍の支配領域がドネツク、ルガンスク、サボリージャー、ケルソンの4州に止まっていることは、ロシア軍が負けているからではなく、これがロシアの目標だからだ。1年半にわたってこれら4州の占領をロシアが続けているということは、ロシアがすでにこの目標を達成しているということを表している。 ロシアのこのような目標を前提にすると、ロシア軍がいま実施している戦略が見えてくる。2)のウクライナの脱ナチス化は、昨年5月のネオナチ部隊の「アゾフ大隊」の司令部があったマリウポリを占領し、この部隊を壊滅させてことで半ば達成している。いまは3)のウクライナ軍の壊滅が中心的な目標になっている。領土拡大ではない。 このためロシア軍は、ロシア軍にとっては占領をする価値のないロシア軍の防衛線の外側にある集落にウクライナ軍をおびき寄せ、これを殲滅してウクライナ軍の壊滅を進める作戦だ。これがいまロシア軍が実施している作戦である。この結果、ウクライナ軍は壊滅し、ヘルムスの言うように、12月にはNATOも支援を引き上げるかもしれない。 そうした中、ウクライナが領土を放棄し、その見返りとしてNATO加盟を受け入れることが解決策になりうるとのアイデアが、NATOのストルテンベルグ事務総長の首席補佐官であるスティアン・イェンセンからも出るようになっている。おそらく水面下ではすでに交渉が行われている可能性が高い。 ▼アメリカ経済の実態 それでは今回のメインテーマを書く。アメリカ経済の実態についてだ。このメルマガではこのテーマを何度も書いているが、やはり非常に重要なので今回も記事にすることにした。

この続きを見るには

この記事は約 NaN 分で読めます( NaN 文字 / 画像 NaN 枚)
これはバックナンバーです
  • シェアする
まぐまぐリーダーアプリ ダウンロードはこちら
  • 未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ
  • いま私たちは先の見えない世界に生きています。これからどうなるのか、世界の未来を、政治経済のみならず予言やスピリチュアル系など利用可能なあらゆる枠組みを使い見通しを立ててゆきます。ブログ『ヤスの備忘録』で紹介しきれない重要な情報や分析をこのメルマガで配信します。『ヤスの備忘録』とともにお読みください。
  • 880円 / 月(税込)
  • 毎週 金曜日