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【Vol.357】「ラインズゲートなんて自分で開けちまえ」

NEW YORK 摩天楼便り-マンハッタンの最前線から-by 高橋克明
2023/8/17 Vol.357 「ラインズゲートなんて自分で開けちまえ」 まったく知りませんでした。何気なくSNSを開き、多くの日本の方が投稿なりコメントなりをして、その存在を知りました。ライオンズゲート。ネットで調べたところ、「2023年7月26日から8月12日ごろまで宇宙からのエネルギーが力強く降り注ぐ時期」とのことです。 スピリチュアル界隈では、2020年末から始まった「風の時代」ブームに乗って、それ以降「ライオンズゲート」バブルなのだとか。で、出どころと由来もサイトによってバラバラでした。マヤ歴が起源と主張するスピリチュアルカウンセラー。占星術に裏付けされていると力説する占い師。 だだ起源や発祥や由来は諸説バラバラでも、期間は統一されていました。先の26日から12日ごろまで、というのがそれです。ただ、その期間中に、ピークと呼ばれる日があり、僕が最初に見たサイトでは8月8日で、他のサイトは8月1日で、どなたかの投稿では8月4日、、、だそうです。当然、科学的エビデンスとは真逆の世界。何日でも都合により変えられる。 占星術では8月8日ごろは太陽が獅子座のちょうど真ん中あたりに入るタイミングらしく、その日がパワー最高潮とのこと。 とにかく、宇宙からのパワー、たとえば天体の配列、もしくは太陽の位置等で、人事ではどうしようもないくらいの奇跡のエネルギーが降り注ぐ日らしいです。 つまり、ここでポイントなのは「普段とは違う、別の日」ということです。普段では開いていない門が開いて、この地球まで降り注ぐ、そんな特別な日。 なので、この日にするべきことも各サイト、各SNS等で色々と説明されていました。だいたいは「今まで手をつけてなかった新しいことに挑戦しよう!」だったりします。 事業をスタートするなら、会社登記をこの日にしたり、近所のジムに入会したり、スレッドを始めたり、中には話題の「サプリメントを飲み始めました!」という人も、資格取得のための「参考書を購入しました」という人も。それって「何かを始めた」と言えるのか。もう何だっていいじゃないか。 なにかをスタートすることだけが、ライオンズゲートな日ではありません。SNSの投稿の中には「瞑想をしました!」「家族と食事しました」「ゆったりとしました」などなど。もうきっかけ関係ない。「願い事をしました」には少し笑ってしまったけど。 つまりは、なんだっていい、ということです。だって宇宙からパワー降り注ぐんだから。 でも、宇宙からのパワーは、人間だけ都合よく享受できるってことなのだろうか。なぜに、霊長類ヒト科のみに影響を及ぼすのだろう。エネルギーもカスタマイズされるのか。 本来、大宇宙という概念が及ぼす影響があるなら、地球などというあまりにちっぽけな惑星だけに影響されるのはどう考えても科学的に無理があるのではないか。科学じゃなくスピリチュアルな概念だから、この考え方自体意味ないのか。 天体全体、少なくとも生物全体に影響を与えなければ、辻褄が合わない。ゴキブリは巨大化し、ネズミの運動量は激増し、微生物は大繁殖しないと、理屈が合わない。生物だけでなく生命体、有機物にも影響はあるはずだ。ジャングルはさらに密林化しないのかな。哺乳類だけ!と都合いいことを言うなら、繁殖したイルカは海の生態系に変化を与えないのか。宇宙を語る場合、その影響が人間だけ、というのはあまりに不遜でおこがましく思ってしまうのです。(あと、ちなみに世界は時差というものが存在し、宇宙からのエネルギーも各国の時差に合わせてタイムラグで降り注いでくれるのでせうか) 、、、、、と、ここまで、いぢわるなツッコミと入れたところで、本音を語るなら。 嫌いではないんです、ラインズゲート。もしくはその考え方。なんなら好きかも。 今回のライオンズゲートに限らず、数年に1度はある、時には天体が、時には宇宙が、時にはマヤ暦が、指し示す、ナントカの日。具体的な日付を提示しての、時代が変わる節目。人間(特に日本人)の、サブカルチャー界隈だけで騒ぐ、ここからこっちは新時代。今までは旧態で、ここからは新時代の、その転換期デー。 前述したように、科学的エビデンスも何もない、言ったもん勝ちの、転換日は、考えてみれば、ここ数年、毎年のように訪れます。それは大概にして、日本だけで言われている場合もあるし、アメリカだけで言われている日もあるし、世界各国で言われている場合もあるし、世界全体で言われている日もあります。 そのすべてに、日常生活の中で、なんとか新たなきっかけをつかむ、もしくは掴みたい、という前向きな意図が見て取れます。

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  • 全米発刊の邦字新聞「WEEKLY Biz」の発行人、高橋克明です。新聞紙面上や、「アメリカ部門」「マスコミ部門」でランキング1位になったブログでは伝えきれないニューヨークの最新事情、ハリウッドスターとのインタビューの裏側など、“ イマ”のアメリカをお伝えします。
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