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知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード
vol. 190
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みなさん、こんにちは!ITジャーナリストの牧野武文です。
今回は、インバウンド再開についてご紹介します。
長かったコロナ禍の出口がようやく見えるようになり、中国からの日本向けの団体旅行が解禁になったことは多くの方がすでにご存知だと思います。解禁になったのは団体旅行だけでなく、「航空券+ホテル」業務も解禁となりました。これはいわゆるパック旅行商品のことで、団体用に確保した航空券とホテルをバラ売りするもので、実質的な個人旅行と同じです。つまり、すでに個人旅行者も日本にくることが可能になりました。
また、ビザの申請基準も以前より緩和をされています。特に注目されるのが、大学生または卒業後3年以内の人にはビザが発給されます。中国の大学生にとっては、日本にくるチャンスとなっており、グループ旅行や卒業旅行なども期待することができます。
ただし、問題は中国の消費者のマインドです。旅行に関しては完全に安近短になっており、海外旅行への意欲が低調です。今年1月にはタイなどの旅行が解禁になっていますが、まったく目標に及ばないなど不振が続いています。
これが海外旅行が再開したばかりの今だけの現象なのか、それとも今後も続く長期トレンドなのかはよくわかりません。
そこで、今回は、日本への旅行解禁の詳細をお伝えし、中国人の旅行観がどう変わっているのかをご紹介します。ようやく、日本の観光業もフル始動できる状況になったのですから、トレンドをうまく読んで、多くのインバウンド客を呼び込む参考になれば幸いです。
知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード vol. 190
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▼目次▼
中国からのインバウンド再開。中国人の旅行観は今どうなっているのか?
小米物語その109
今週の「中華IT最新事情」
次号以降の予定
Q&Aコーナー
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中国からのインバウンド再開。
中国人の旅行観は今どうなっているのか?
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今回は、中国のインバウンド旅行再開についてご紹介します。
いよいよ、中国の日本向けの団体旅行が解禁となりました。これで日本のインバウンドビジネスもようやく元に戻ることができ、旅行や観光の関係者の方はほっと一息ついていることではないでしょうか。長いトンネルを抜け出せる兆しが見えてきました。
一方で、オーバーツーリズムに対する声も出てきています。特に団体行動をする旅行客は周りが目に入りづらくなり、マナー違反をしがちです。そこに、いわゆる”中国人の民度”が加わって、ネットにはひどい言葉を使って否定的なことを書き込んでいる例も見られます。
しかし、オーバーツーリズムの問題は、旅行者側ではなく、受け入れ側の問題であるということを忘れてはいけません。例えば、ディズニーリゾートを始めとする日本の主要テーマパークでは大きなオーバーツーリズム問題は起きていません。なぜなら、人気が高まれば入場制限を行い、チケット価格をあげ、そのお金でエンターテイメントコンテンツの質を上げ、来園者に「高いけれどそれ以上の満足感があった」と思ってもらえるように努力をするという正のスパイラルをつくっているからです。
もちろん、京都のような街全体が観光資源というような場所で、包括的な入場料の設定や入場制限をすることは簡単ではありませんが、観光施設が連携をして、入場制限を行ったり、参観できる施設を曜日ごとに変えることで旅行客を分散させるなど、できることはまだまだあるはずです。富士山なども入山制限を検討しているという報道がありますが、私は、せっかくきてくれた観光客が快適な体験ができるように、ぜひすべきだと思います。むしろ、世界に誇る観光資源である富士山がこれまで規制をしてこなったことが不思議です。入山料も、現在は任意になっていますが、これも義務化して何ら問題ないと思います。
「どなたにも自由に楽しんでほしい」という地元観光関係者の温かいお気持ちは素晴らしいことだと思いますが、それでオーバーツーリズムが起こり、「人混みしか記憶にない」と言って帰る羽目になることだけは絶対に避けなければなりません。どの観光地であっても、重要なのは「一見さんの数」ではなく「リピーターの数」なのです。
中国でも国内旅行はほぼ完全復活をし、北京市の故宮博物院などは厳しい入場制限をしています。現在、故宮博物院にふらりと行って、チケットを買って参観することはできません。あらかじめ、微信(ウェイシン、WeChat)の故宮博物院のミニプログラムか公式サイトで、予約を取る必要があります。これは故宮博物院だけでなく、万里の長城(八達嶺)、天安門広場の国旗掲揚、国家博物館、中国科学技術館など主要な観光施設が同様の予約制を行なっています。
これはオーバーツーリズム対策が主眼ではなく、新型コロナ対策です。中国でもまだまだ新型コロナ陽性者は、数は少なくても一定程度出ているため、人数制限をしてリスクを減らそうというものです。故宮博物院は以前は人数制限がないために、1日80万人が訪れたこともありました。しかし、入場前の荷物検査の行列に2時間ほど並び、今度はチケット購入に1時間ほど並ぶなど、ユーザー体験は最悪でした。そこで、2015年からは1日8万人を上限にする制限をかけるようになりました。
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