《解説》
アメリカの長期金利の上昇が続いています!
お盆明けの8月17日には4.30%台を突破、アメリカ長期金
利の上昇と共に、内外の株式市場は調整局面入りへ。
アメリカのドル国債10年物の利回り(=長期金利)は今後は控
えめに見ても4.50%を超えてゆくでしょう。もしかしたら4.
75%を超えてゆくかも知れません。
アメリカの長期金利の上昇に歩調を合わせるかのように、植田日
銀は7月27~28日の政策決定会合で、「YCCの修正」へ動きま
した。
この決定のお陰で今回のような「アメリカの長期金利の上昇」に
直面しても、日銀は日本国債を大量に買い支える必要は無くなり
ました。日本国内では円安が巻き起きていますが、昨年秋のよう
な「急激な円安」は起こらないで済んでいます。
それでもドル円は1ドル145円台を突破。
今回は昨年秋とは違っておそらく日本財務省による為替介入は行
なわれないでしょう。昨年秋とは違って「アメリカ国内の長期金
利の上昇はファンダメンタルズを反映したもの」なので、今回は
たとえ為替介入が行なわれでも効果はたいして持続しないでしょ
う。
近いうちにドル円は1ドル150円を試すフェースか????
長い目で見れば、1ドル160円か???
さて、8月に入って、中国 最大手の民間不動産開発会社:碧桂園
の事実上の破綻が明らかになり、中国の大手シャドーバンキング
の中融国際信託の事実上の破綻も明らかになりました。
2021年の中国恒大の事実上の破綻からおよそ2年。
パウエルFRBがびしばし金融引き締めを開始してから1年半。
「中国経済の大崩壊」が始まっていることが、誰の目から見ても
明らかになっています。
中国経済はおそらく向こう数年かけて崩壊してゆくことでしょう。
「中国経済・大失速」の影響はマクロ経済にとっても大問題で、今
後注意深く観察してゆく必要があります。
特に、昨日の8月17日から、中国政府は人民元の買い支えのた
めに国有銀行を動員して「ドル売り介入」を開始したと表明して
います。
この「中国政府によるドル売り・人民元買い介入」は、規模が大き
くなれば「中国政府によるドル国債売り」という「大変恐ろしい金
融核兵器の使用」へと道を開く「入り口」です。
このあたりは、私たちは大いに注意して警戒してゆく必要があり
ます。
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●内外の株式市場は調整局面へ。
この調整は、おそらく向こう数週間、秋まで続くことでしょう。
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