ヒント:●●を梃子として大学で生まれる●●を企業に包括的に譲渡するという、新たな産学連携スキーム
この記事はhikoさん(企画・リサーチ担当)との共同制作です。
落合陽一氏が代表取締役を勤めるPixie Dust Technologies(ピクシーダストテクノロジーズ)が、NASDAQに上場します。
ピクシーダストテクノロジーズは、大学の技術を社会の課題やニーズと結びつけ、ビジネスによる価値創造を行い社会実装する事業を展開しています。
今回は、ピクシーダストテクノロジーズの会社概要や事業内容、業績などを見ていきながら、大学の技術を社会実装するビジネスのスキームがどのようなものなのか、紐解いていきます。
PIXIE DUST TECHNOLOGIES, INC. F-1
この記事では、1ドル=140円($1 = 140円)として、日本円も併せて記載しています。
ピクシーダストテクノロジーズの会社概要
ピクシーダストテクノロジーズは、アクセンチュア出身の村上泰一郎氏と、前述した筑波大学准教授の落合陽一氏が代表取締役を務めています。
落合陽一氏はメディアに多数出演しておりご存じの方も多いと思いますが、メディアアーティストという肩書で活動されており、筑波大学デジタルネイチャー開発研究センターのセンター長も務めています。
ピクシーダストテクノロジーズでは、落合氏の大学での研究開発とも深く関わる音波と光波を用いた独自の波動技術を核とし、メカノバイオロジー(細胞の内外で発生する力が、細胞や組織の活動にどのように影響するかを研究する学問)とメタマテリアル(自然界の物質には無い振る舞いをする人工物質)を組み合わせることで、革新的な商品やサービスの実用化を目指している企業です。
設立は2017年5月で、同年9月に産業技術総合開発機構(NEDO)の研究開発型ベンチャー支援事に採択され0.7億円を調達し、2018年6月には日本政府のスタートアップ支援プログラムにおいて対象企業に選定されました。さらに2018年8月には科学技術振興機構(JST)の研究成果最適展開支援プログラムに採択され1.4億円を調達するなど、国からも注目され支援を積極的に受けています。
ピクシーダストテクノロジーズの事業内容と商品
ピクシーダストテクノロジーズは、パーソナルケア&ダイバーシティ分野とワークスペース&デジタルトランスフォーメーション分野の2つの分野で事業開発をしています。
それぞれの分野で開発された商品を見ていきましょう。
・パーソナルケア&ダイバーシティ分野
パーソナルケア&ダイバーシティ分野の中から3つの商品を取り上げます。
1つ目は、2022年11月にリリースされた超音波スカルプケアデバイス「SonoRepro(ソノリプロ)」です。
この記事は約
NaN 分で読めます(
NaN 文字 / 画像
NaN
枚)