■ずるい検索
仕事はすべて情報でできている。あらゆる仕事において、情報の質
と量が仕事の価値を決める。そして、集め方ひとつで手に入る情報
は大きく変わる。情報を調べる方法を知るべきだ。
現代は、調べると言えば検索だ。検索と聞いて最初にイメージする
のは、Google検索のはずだ。たしかに優秀な検索エンジンだ。有
益で信頼性が高い情報や関連した質問や回答まで表示してくれる。
だが、それで得られるのは一般に知られていることだけだ。より専
門的な内容や限定された情報を得るには限界がある。また、インタ
ーネットを含め、すべての情報には意図が込められている。
「商品を購入してほしい」「この情報を多くの人に拡散してほしい」
「特定の商品を、ほかの人が買わないようにしたい」などだ。誇張
した情報や間違った情報が発信されていることも少なくない。
つまり、大事なことは、自分が本当に欲しい情報を適切に集める方
法を知っておくことだ。そして情報の発信者の意図を読み取ること
も必要なのだ。
★
検索の方法やツールで得られる情報は変わる。また、生きた情報を
知るために人に尋ねるスキルや、アンケート調査などを通して情報
を作り出す技術も欠かせない。その真偽を見極める力も必要だ。
そうした様々な情報収集の手法やツールを活用して、自分だけの情
報収集方法を考えるべきだ。書籍や通常検索で調べられる情報だけ
ではAIの仕事に勝てない。
これからは、競合も顧客が思いつかない情報を手に入れなければだ
めだ。ユニークな情報を元にしない人に仕事を頼む価値はない。そ
れは、パソコンやスマホの使い方ひとつでできるのだ。
★
Googleなどの検索エンジンは、ユーザーの検索履歴や閲覧履歴を
保存し、それをもとに「ユーザーが必要としているであろう」結果
を出力する。便利だが求める情報が得づらくなる面もある。
自分の記録をもとに検索結果がパーソナライズされるということは、
同じGoogleという検索エンジンを使っていても、ユーザーによっ
て検索結果が異なることだ。
そうしたパーソナライズを避けるためには、Chromeの「シークレ
ットモード」やSafariの「プライベートモード」で検索すること
だ。
これらを使用すれば、検索結果は個人のアカウントに紐付けられな
い。だからパーソナライズされていない結果を知ることができる。
ただ、位置情報など一部の情報は利用される。注意が必要だ。
また「Googleアカウントを管理」の中の「データとプライバシー」
も活用することだ。使えば検索履歴や位置情報などGoogleにどん
な情報の収集を許可するかコントロールできるからだ。
★
ネット検索で知りたい情報が見つかりづらい理由のひとつに、SEO
がある。多くの企業や個人がSEOに取り組む結果ため、自分が意
図しないサイトが上位表示されてしまうことがある。
たとえば人材紹介や美容業など、ネットでの集客が重要な業界が少
なくない。そういう業界の会社は、特にSEOに力を入れている。
そのため、本当に欲しい情報が手に入りづらくなっている。
SEOの影響を防ぐためには、Google以外の検索エンジンを使う方
法がある。お勧めは「DuckDuckGo」だ。DuckDuckGoは「ユーザ
ーの個人情報を一切保存しない」ことを宣言している。
検索結果もGoogle同様に質の高いDuckDuckGo向けにSEOは、
行われていない。だから、自分の知りたい情報を偏りなく集められ
る。個人情報を取得しないためパーソナライズの影響も受けない。
このように、Google以外の検索エンジンを使うことで、企業の意
図に影響されず情報を集めることができる。また自社・他社の認知
度がリアルにわかり、自分の個人情報を渡さないこともできるのだ。
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